秋~冬の鎌倉の食べ歩きにピッタリ! 伝統の和スイーツ「焼き芋」で身も心もぽかぽかに

〝待ってました!〟の「食欲の秋」が到来! 海の幸、山の幸ともに、目移りするような美味がいっぱいの季節になりました。そんな秋を代表する旬の味のひとつが「焼き芋」! 少し肌寒さを感じるこの季節から凍える寒さが身に染みる冬に、体をぽかぽかと温めてくれる古来からのスイーツとしてピッタリの美味です。

今回は、8月に鎌倉にオープンしたばかりの注目のお芋専門店「Farm.Sweets@鎌倉」にお邪魔して、今冬マストの絶品スイーツのお話をお伺いしました。

ウラ駅から徒歩約1分、いかにも「焼き芋屋さん」らしからぬ店構え

鎌倉の通称・ウラ駅、鎌倉市役所がある西口を降りて徒歩約1分という絶好の立地に構える「farm.sweets@鎌倉」。一見洋菓子店のような、いかにも「焼き芋屋さん」らしからぬ店構えです。

意を決して扉を開けると、店頭に置かれた電気式の焼き芋器の上には、多くのさつま芋が種類別に並んでいます。取材時に用意されていたさつま芋は、シルクスイート、べにはるか、安納芋の3種類。

  • まるで洋菓子店のような店構え

  • 取材時は3種類の芋がラインアップ

芋本来が持つ驚きの甘さにビックリ

一番人気をお伺いすると、「ねっとり感と甘さのバランスが絶妙なシルクスイートです」と同店の八重樫店長。早速、イチオシのシルクスイートを一口食べると、まるで洋菓子を食べているかのような甘さ。きめの細かさが特徴のこの芋は、ひとたび口に含むと適度なねっとり感が口内に絡み、噛むごとに甘さを増していきます。そして強烈な甘さにも関わらず、しつこさを感じないのは一切、砂糖をはじめとする余計なものを加えていないから。さつま芋自体が持つ、芋本来の美味さが凝縮しているからではないでしょうか。

また自分好みの芋が分からない方には、3種類の食べ比べセットも用意しているのがうれいいところ。「お芋はそれぞれで食感や甘さが全く違いますので、お得な『食べ比べセット』で味の違いを楽しんでみるのもオススメです」と八重樫店長。

  • 芋の表面には、甘さを示す蜜があふれて出ています

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焼き芋器を製造・販売する電機メーカーの直営1号店

実はこちらのお店は、横浜・保土ヶ谷で40年以上厨房機器を作っている電気機器メーカーを母体とするお店。ローソン100やファミリーマートなどの大手コンビニや大手スーパーなどのレジ横などで、焼き芋器を見かけたことがある方も多いかと思います。その焼き芋器を手掛けているメーカーが出店したお店がこちらの「farm.sweets@鎌倉」なのです。

今までは、焼き芋器を小売店に販売するだけでしたが、「実際にお芋を買っていただくお客様の声を直接聞きたい」との思いから、焼き芋器の実演とともに焼き芋を販売するメーカー直営の第1号店としてオープンしました。

「弊社の焼き芋器を使えば手軽に美味しい焼き芋が出来ますが、本当においしく芋を焼こうと思うとより手を掛ける必要があるんです。芋の大きさや個体の特性によって焼く温度や時間などをこまめに調整した方がずっと美味しくなるんです」

スーパーやコンビニでは、ほかの業務もあるため芋の焼き具合などを細かく見ることができませんが、専門店では温度や時間を調整してベストな状態の芋を提供できます。farm.sweets@鎌倉では、焼き芋器のプロがその能力を最大限に活かした、お芋の美味しさを全て引き出した焼き芋が食べられるのです。

  • シーズンは180~200度で約1時間で焼き上がりますが、新芋の時期は150~160度で約2時間かけて丁寧に焼き上げるこだわりよう

  • お店の奥には芋を低温保存できる保管庫も

大好きな鎌倉・湘南の方に安くて美味しいお芋を食べてもらいたい

お客さまの声のなかに、「ここは昔の焼き芋の味がする」という方や「焼き芋は東京のデパートでしか買わなかったけど、ここのは安くて美味しいわね」という方もいらっしゃったそう。

当初は焼き芋器のアンテナショップ的な位置づけもあったかと思いますが、「こうした地域の方々に日々触れるにつれ、ますます『大好きな鎌倉・湘南の方々に、美味しい焼き芋をできる限りリーズナブルに提供したい』という思いが強くなっていきました」と八重樫店長。

  • お客様との会話を心から楽しんでいる八重樫店長

プレミアム芋やブランド芋、朝食メニューなど構想はいっぱい

そんな想いから、1本300円というリーズナブルな定番商品は残しつつ、より生産にこだわったブランド芋や高級芋を使ったメニューも今秋から登場する予定だとか。そのひとつが千葉で300年続く農家「石田農園」のさつま芋。

通常、さつま芋は焼く前に熱を加えて、収穫時についた傷を治す効果がある『キュアリング』を施した後、低温保存するのが一般的。長く低温保存することで甘みが増しますが、その分、芋自体にストレスがかかっているのも事実。しかし石田農園は気温の寒暖差でストレスを与え、高湿度の芋ナリーという貯蔵室で独自の熟成方法を考案し短期間で糖度を45度以上まであげています。※最高糖度50.3。 一般的に収穫後約1~2ヶ月で30度前後。

ちょうど私が訪ねたとき、40日間の熟成保存をした石田農園のシルクスイートがあったので、1年間長期保存したものと食べ比べてみましたが、甘さは全く遜色なし。石田農園の芋の方が収穫から日が経っていないこともあり、ねっとりとしながらフレッシュな歯ざわり、香りも濃く感じました。

ほかにも、パープルスイートとべにはるかを掛け合わせて作った新種の芋である「ふくむらさき」というプレミアム芋も加わる予定だそう。さらに、温かいお芋にアイスクリームを乗せた商品や、モーニングメニューとして「さつま芋のポタージュ」の販売も検討中と、新たなアイデアが次々と沸いているといいます。

  • 人気のじゃがいも「インカのめざめ」を使ったコロッケも大人気

  • アイストッピングメニューも開発・検討中

地域の人と一緒になって、お店を育てていきたい

「開店してまだ2ヶ月、秋になってお客様も増えてきましたがまだまだ模索中の部分もあります。その中でお客様のさまざまな意見を取り入れながら、地域の方々に喜んでいただけるお店作りをしたい、そして何よりも焼き芋の本当の美味しさを知っていただきたい。そしてリーズナブルかつ手軽に焼き芋を味わっていただきたいです」と同店のオーナー会社である電気機器メーカーの社長は話します。

寒さが増すとともに、その魅力と誘惑が増す焼き芋。さつま芋を知り尽くした専門店「Farm.sweets@鎌倉」なら、本物の美味しさに出会えるはずです。秋~冬の鎌倉散歩のお供として、食べ歩きにも最適。今年の冬は、身も心もホットに温めてくれる和スイーツ・焼き芋を、ぜひ存分に味わってみてはいかがでしょうか?

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