湘南ワークスタイル

都市とローカルを繋ぐ。茅ヶ崎のコワーキングスペース&カフェ・バー「,COMMA(コンマ)」は、新しい気づきやアイディアが生まれる場所

サザンビーチ茅ヶ崎のほど近く、駅から少々離れたこの場所にコワーキングスペースとカフェ・バーを併設した施設「,COMMA(コンマ)」があります。コロナ禍でリモートワークの必要性が高まるなか、,COMMAではどのような仕事環境を提供してくれるのか、またどのような想いでこの場所に施設を作られたのか。代表の小池弾さんにお話をお伺いしました。

コロナ禍をきっかけに生まれた地方で暮らす選択肢

僕は今茅ケ崎に住んでいるのですが、少し前までは東京で暮らしていました。いわゆる移住ですね。東京ではIT企業などの採用や組織づくりなど、いわゆるHR関係の仕事をしていました。

移住のきっかけはいろいろあるのですが、やはりコロナ禍が大きいと思います。2020年の2月にニューヨークで行われた起業家支援プログラムに参加したのですが、帰国するタイミングがちょうど新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃でして。帰国後住む用に都内に新しい家を用意していたのですが、しばらく続きそうなコロナ禍で都内以外に住む選択肢もあっていいかなと、用意した家を引き払って茅ヶ崎に移ってきました。

湘南エリアには、大学時代から神奈川県フットサルリーグに所属をしていた関係もあり、よく訪れていました。海の近く、穏やかな雰囲気が大好きな街だったんです。

  • 代表の小池弾さんは名古屋のご出身

きっかけは、今まで普通にできていたことができない”焦り”

東京にいる頃は、コミュニティに参加する機会も多く、そこで面白い話が生まれたり仕事につながったりする場面が多くありました。自分をさらけだしても受けて入れてくれる場所があればそこからいろいろ生まれてくるという感覚が実体験としてあったんです。でも、茅ヶ崎に移ってきて、そんな今まで普通にできていたことができない、“焦り”のようなものを感じたんです。

リモート間でも出会いはあります、むしろリモートであれば海外のイベントなどにも容易に参加できるので一時期は満足していました。ただ、必要以上のやりとりはしないというか、なんか人間的なコミュニケーションの取りづらさ実感しちゃったんですよね。

これじゃいけないと思い、いくつかコワーキングスペースを見てまわったのですが、しっくりくるものが無くて。居心地とか仕事しやすさとか、そういった部分は満たしてくれるのですが、自分が最も重要視するものってそこじゃないんですよね。だったら仕事として自分で作ってみても面白いかなって。

始める前にフェィスブックで、”茅ヶ崎でこういう物件があって、ここでこんなコワーキングスペースやりたいんです”って投稿したんです。そこで反応が良ければなんとなくうまく行きそうな気がして。ほんとなんとなくなんですけど。

想像してたよりも反応が良くて、直接連絡をくれる人なんかも結構いたんです。ここで決意が固まったというか、背中を押された感覚でしたね。ちなみに最初に連絡をくれた人が共同発起人の岸田です。

,COMMAが目指すかたち

コワーキングスペースには2つのメリットがあると思うんです。1つ目はオフィスをシェアできるので仕事場所の固定費が下がること、もうひとつはそこにいろいろな人が集まるので、いわゆる枠の無いコミュニティが生まれること。,COMMAの場合は後者のメリットを強く出すことを意識した運営をやっていこうと考えています。

かつて「Wantedly」という会社で働いていたんですけど、その会社のオフィス設計の考え方に「オンとオフの融合」「偶然の会話を生む設計」というキーワードがあり、僕も強く共感しているんです。なので,COMMAでもおしゃれなカフェやリビングのようにゆったりとできる場所や雑談がしやすいような空間を意識した設計をしています

  • 雑談がしやすいことをポイントに空間設計

  • デスクだけでなく、その時の気分で作業スタイルを変えられる

日常から少し離れた場所で、たまにペースを変えてみる

,COMMAは毎日通う場所ではなくても良いと思っています。ちょっと疲れたなとか煮詰まったなとか、そういう時に来てもらって。息抜きがてら仕事も進められるのがコワーキングスペースの良いところですよね。

カフェ・バーも併設していますので、もちろん息抜きだけで来ていただくのも大歓迎です。コーヒーは中米のエルサルバドルからハンドチョイスで生豆を仕入れている、京都の「COYOTE」さんの豆を使用しています。COYOTEさんは生産者の想いやどういう生産者なのかを大事にしている業者さんで、今ここにあるのは”アントニオ”さんという生産者さんの豆です。浅煎りですごく爽やか、あえて酸味を残すことでフルーツ感を味わえるコーヒーです。

,COMMAのカフェ・バーは新しい文化や社会を作ろうとする、強い想いを持った生産者の方から直接仕入れた商品を中心に提供しています。おいしいだけじゃない、食を通じた気づきや出会いをお届けします。

  • 京都の「COYOTE」の豆を使用したコーヒー。生産者の想いの見える商品を提供

  • 食を通じた気づきや出会いも大切なテーマ

,COMMAがあるこの場所は、あまり交通の便が良いとはいえないのですが、烏帽子岩が近くに見えたり砂浜や漁港があったり、遠方からでもわざわざ来る価値のある立地だと思います。なので、都内にお住まいの方にも是非来てみていただきたいです。海岸沿いのベンチや砂浜を裸足で歩く感触、施設内だけでなくエリア自体が新しい気づきを生み出す力になってくれるかもしれません。

  • 海岸沿いのベンチから烏帽子岩を望む

  • 近隣は海街感あふれる環境

仕事の枠だけでなく、距離の枠を無くした繋がりをつくる

コロナ禍が続く中、茅ヶ崎に移住する人が増えていると聞きます。都心を離れて仕事をしていると、どうしても地域活性というワードを思い浮かべてしまうのですが、ポイントはそういった新しい住民をどのように活かすかだと思うんですよね。今のところ具体的な構想はできていないのですが、移住者を含めた都市部から来た人とローカルの人たちが繋がることで茅ヶ崎がより良い街になってくれるのではないか、,COMMAではそんな繋がりが生まれる場を提供していきたいと思っています。

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