湘南ワークスタイル

湘南を拠点とする「エンジョイワークス」が仕掛ける“共創型まちづくりスタイル”

2011年から湘南エリアで、新しい発想でのまちづくりを試行している株式会社エンジョイワークス。今回は湘南を拠点にさまざまな活動を展開するエンジョイワークスで、新規プロジェクトの企画を担当する事業企画部の濱口智明さんにお話を伺いました。

「共創」をテーマに、まちづくりを仕掛ける

2007年に創業したエンジョイワークスは、2011年に鎌倉に拠点を移し、不動産、建築設計、まちづくり、空き家再生などの取り組みを行っている会社です。古くからの業界慣習に捉われない新しい視点やスタイルで、「共創」をテーマとしてまちづくりに関わるさまざまなプロジェクトやプロデュースを行っています。

創業は東京都内だったエンジョイワークス。湘南エリアを会社の拠点に選んだ理由を、「湘南は常にアンテナをはっている人が多く、新しいことを受け入れやすいカルチャーがある街だから」と濱口さんは語ってくれました。

  • 事業企画部の濱口さん

エンジョイワークスがこれまでに手掛けてきた事例

エンジョイワークスはこれまで鎌倉、葉山などを中心に、湘南に住んでいる人々を巻き込んだ「新しいまちづくりプロジェクト」を実験してきました。その事例を、濱口さんにいくつかご紹介していただきました。

■HOUSE YUIGAHAMA(鎌倉)
元々は魚屋さんだった建物をリノベーションして、現在はライブラリーを併設したカフェとして運営。イベントスペースとしても利用することで、まちづくりに関心のあるさまざまな人がつながる場所として位置付けています。

■逗子シェアアトリエ SAQLAB(逗子)
葉山の廃工場だった建物をリノベーションする際に、設計、工事の段階から利用する地元クリエイターたちが参加。自分たちのシェアアトリエを「共創」し皆で作り上げました。

■葉山小屋ヴィレッジ(葉山)※葉山芸術祭開催時の期間限定
葉山の空き地を使って、地元のメンバーによるDIYで7つの小屋を作り、お店やワークショップの場として葉山芸術祭に訪れた人々と交流しました。

■Hostel YUIGAHAMA + SOBA BAR(鎌倉)
人力車の倉庫をリノベーションし、2016年にホステルに蕎麦屋「ふくや」を併設する形でオープン。「混ざり合う」ことをイメージし、“化学反応”を予感させる空間として親しまれています。

■Satellite YUIGAHAMA(鎌倉)
江ノ電「由比ヶ浜駅」から徒歩1分の場所にある古いビルの2階をリノベーション。サーフボード置き場やシャワー、デッキスペースのあるお洒落な「コワーキングスペース」として活用されています。2017年よりサービス開始。(ページトップに掲載したbefore-afterの写真の2階部分です。)

「Satellite YUIGAHAMA」の会員には、鎌倉の幼稚園にお子さんを通わせているコンサルタントのママさんや、稲村ヶ崎在住のサーフィン好きなウェブデザイナーさんなどがいらっしゃるそう。コンサルタントのママさんは、お子さんの送り迎えの間に仕事をする場として利用されているんだとか。ドロップインについては、近くにある「HOUSE YUIGAHAMA」で受付をすれば、短時間での利用も可能とのこと。

  • HOUSE YUIGAHAMA

  • 逗子シェアアトリエ SAQLAB

  • 葉山小屋ヴィレッジ

  • Satellite YUIGAHAMA

まちづくりの試みを今後も続けていくために

このようなさまざまなまちづくりプロジェクトを手掛けるエンジョイワークスが、最近力を入れているのがこうした湘南プロジェクトをサポートするために、地域の人々からの資金を集める「投資型クラウドファンディング」のサービスです。例えば次のようなプロジェクトで実際に導入したそうです。

■泊まれる蔵プロジェクト
葉山芸術祭の開催にあわせて、葉山町の古い蔵を宿泊施設にリノベーションしたプロジェクト。作るプロセスの中で、SNSで参加メンバー募集、イベント会の実施、「ハロー!RENOVATION」と言う投資型クラウドファンディングでの資金集めなど、今までと全く違った「新しいまちづくりの試み」を実験しました。

この「投資型クラウドファンディング」はエンジョイワークスにとって、今後手がけていく「共創型まちづくり」実施展開のために、まさに「車の両輪」となっていくと思われます。

※泊まれる蔵プロジェクトについては、こちらの記事でも少し触れています!

“つくる”だけではない、まちづくり

そしてもう一つ、エンジョイワークスの独自性を感じさせる点は、まちづくりプロジェクトで完成した施設の運営も、自社の関連会社グッドネイバーズで行なっているところです。現在、「HOUSE YIGAHAMA」、「Hostel YUIGAHAMA + SOBA BAR」、そしてコワーキングスペースである「Satellite YUIGAHAMA」の3施設を運営しています。

不動産、建設設計、そして運営まで通したモデルを自社で持っているということが、今後の事業展開にものすごく活かされていくと感じました。鎌倉を拠点に、湘南エリアそして全国にも「新たなまちづくり」発信していくエンジョイワークスの取り組みは、これからも目を離せませんね。

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