鎌倉・扇ガ谷の閑静な住宅街に現れる、会話を楽しむコーヒー屋台「Cuddle Coffee (カドルコーヒー)」

鎌倉駅西口から北西へ5分ほど歩いて行くと、敷地の大きな立派な家が建ち並ぶ閑静な住宅街に紛れ込んでいきます。 観光客の姿も、お店もほとんどない一角に、突如木のテイストを生かした軽トラックが出現。見かけたほとんどの人が思わず立ち止まるという、そのインパクトのある軽トラックの正体は、現役子育てママさんによるハンドドリップ・自家焙煎のコーヒー屋台Cuddle Coffee (カドルコーヒー)。今回はこのユニークなコーヒー屋台の店主である太田恭子さんにお話を伺いました。

きっかけは旦那様のドリップしたコーヒーから

「コーヒー好きだった夫がいれてくれたコーヒーが美味しかったんです」
もともとはコーヒーにはミルクをいれて飲んでいたという太田さんですが、旦那様の淹れたコーヒーで美味しさに気付き、その後コーヒーにのめり込んでいくきっかけになったとのこと。

定年後に喫茶店をやりたいと言っていた旦那様に、「どうせならコーヒー豆の焙煎もやってみたらいいんじゃない?」と提案したところ、「僕は焙煎はやらない」という答えが。「じゃあ、ちょっと私がやってみよう」という気持ちになって、コーヒー豆の焙煎を始めることに。いろいろな種類・味があること、産地によっての違い、焼き加減で味が変わることなどが面白く、太田さんはますますコーヒーにのめり込んでいきます。

  • 笑顔が素敵な店主の太田さん

閑静な住宅街にコーヒー屋台が出現する理由

豆の焙煎をいろいろ試して、友人たちに自分の焙煎したコーヒーを配ったところ評判となっていき、太田さんは何か始めてみようかなという気になったそうです。

現役の子育てママさんでもあり、当時は幼稚園教員の仕事もしていた太田さん。

やれるのが週末だけだし、せっかくの実家をなんとか活かしてみたいと、実家の入り口でコーヒー店をはじめられなとかと考え始めました。

「入り口の前だから建物も建てられないし、屋台かなと」

いろいろ調べたり、店の雰囲気を考えていたりしている時に、軽トラックの荷台が木の小屋みたいになっているキッチンカーを発見。

「あ、これだ! と思って。お店の人に大工さんを紹介してもらいました」

  • 開店日に合わせて、本日のコーヒーが5種類ほど用意される

  • アイスコーヒーもカフェオレもハンドドリップで

子育てをしながらお店をやるということ

子育てをしながら週末にお店をされていることについて伺うと、「お互いにとって、いい息抜きになっているんじゃないかな」と太田さん。

実家の前なので、開店時は実家のお母様が娘さんの面倒を見てくれるそうです。太田さんの方は、お客さんがこない時間帯にぼんやりしたり、前から気になってたことをスマホで調べたり。一方、娘さんの方はお祖母様の元で思いっきり羽を伸ばして遊んでいるのだとか。

  • 特注の木のプレートは旦那様のプレゼント

コーヒーをいれることはコミュニケーション

Cuddle Coffeeでは太田さんの自家焙煎のコーヒーの提供と豆の販売を行なっています。テイクアウトのコーヒーは開店日に合わせて焙煎した本日のおすすめの豆の中から、お客様のお好みの味わいを伺って、1杯ずつハンドドリップで。豆のオーダー焙煎も受け付けており、お好みの豆をお好みの焙煎具合で提供しています。鎌倉市内に限り配達も可能。またインターネット通販も行なっています。オーダー焙煎をドリップバッグした商品は、プレゼントや結婚式のギフトにも喜ばれているそうです。

豆を挽くタイミングは、すべてご注文をいただいてから、「焙煎するときもコーヒーを淹れるときも、相手のことを思い浮かべることを大切にしたいです。コーヒーを通じてつながりも味わってもらえたら」と太田さん。

  • 一杯ずつ丁寧にハンドドリップで

  • 一番人気はオリジナルの鎌倉ブレンド

コーヒー豆のギフトパッケージのイラストは、自作のもの。屋台でコーヒーを作るときにも、どんな味が好きか、濃いめ薄めが好きかなどの会話を楽しまれながら淹れるそうです。

店名にあるカドルというのは、娘さんが好きなアニメのキャラクターの口癖からとられたそうで、「抱きしめる、大切にする」という意味があるのだとか。

太田さんのコーヒーを通じて人とつながりたいという想いが、店名にも込められているように感じました。

  • 手作りのギフトパッケージ

  • シャツにも感じられるコーヒーへの想い

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