「こしごや」〜湘南ライフを体感できる大人のサーフショップ

鎌倉の中で江ノ島に近い腰越地区は、古くから鎌倉の入り口、そして腰越漁港もある漁業の町として栄えてきました。腰越海岸沿いの腰越橋交差点から県道304号を山側に向かってしばらく進み、腰越行政センターの少し手前を右に曲がると古くからの静かな住宅地があります。

この辺りは海だけでなく山にも近いため、豊かな自然に囲まれた気持ちの良い涼しい風が吹き抜けるエリアです。そんな一画にあるのが、今回ご紹介するサーフショップ「こしごや」。オーナーの濱田雅德さんにお話を伺いました。

一般的なサーフショップとは一線を画す、レトロなたたずまい

二棟の古民家を利用しているこちらのお店。手前にある離れは、玄関入ってすぐの小上がりをレトロなソファやイスを置いたカフェに、奥の畳敷きの座敷をヨガ教室として使用しています。離れを抜けると、中庭に相当するオープンスペースが。そこには自然の太陽、風が感じられる開放的なウッドテラスが設けられ、二棟の間を繋ぎます。そして奥にある母屋が、オーナーのご自宅も兼ねたサーフショップです。一見するとサーフショップとは全く思えない作りになっていて、自然と一体となった「湘南ライフ」というオーナーの夢が実現した空間がそこにはありました。

自分の考える「湘南ライフ」を実現

18歳からサーフィンを始めたオーナーの濱田さんは、仕事をしながら全日本サーフィン選手権大会を目標に、川崎の自宅から湘南や千葉の海を往復する生活をしていたそうです。濱田さんはいわゆる“サーフィン第3世代”で、友人にはプロの道に進まれた方もいるんだとか。

濱田さんは30代で湘南・逗子に移住、その後、腰越へ。そして40代で現在の古民家(当時は母屋のみ)に引っ越しました。しばらくして離れも合わせて借りることに。そこから自分の考える「湘南ライフ」をイメージし、ゆっくりとご自身でリノベーションを行っていったそうです。努力の甲斐あって、「現在の『こしごや』は気持ちの良い空間になった」と思い入れたっぷりに語ってくれました。

「こしごや」は、離れと母屋の間に大きなウッドデッキを作ることで「中と外が一体となったデザイン」「自然の風や四季を感じられる空間」になるよう設計されています。お店としては、もともと始めていた「サーフショップ」をメインにして、2014年から「ヨガ教室」と「カフェ」も併設して現在のスタイルとなりました。

幅広い年齢層の受講者で人気のサーフィンスクール

サーフショップの中で特に力を入れているのが、サーフィンスクール。利用者は20代の若い層だけでなく、30〜50代、最近では60代の生徒さんもいらっしゃったのだとか。こうした中高年の層は、若い頃にサーフィンに憧れていて“いつかやりたい!”と思っていた方や、海が好きで湘南に移住して来たことをきっかけにサーフィンを始めようと思いたった方が多いそうです。

スクールは1回コースから3回コースまであり、ボード、ウェットスーツのレンタル代は含まれています。また3回コース以降、クラブメンバーになるとカフェの利用だけでなく、畳がある古民家への宿泊も可能に。最近はサーフィンだけでなくSUPのスクールも展開し、江ノ島を一周するツーリングコースなども好評を得ているそうです。

古民家の穏やかな空気が流れるヨガ教室とカフェ

離れで展開しているヨガ教室とカフェも、その立地を生かして人気を博しています。「心と体の健康」をもたらすヨガは、サーフィンのストレッチという側面でも相性が良いそうです。その一方で、サーフショップに併設されているヨガ教室ですが、腰越の自然に囲まれて畳の上でヨガを行えるという環境からか、ヨガ教室の受講を目的にこちらに来られる方も多いのだとか。

古民家の風情を生かしたカフェでは、のんびりとした寛ぎの時間を過ごすことができます。ドリンクはもちろん、オーナー自身が腕をふるうカレーやパスタなどフードメニューもお勧め。筆者も取材当日、インドカリーセットをいただきましたが、スパイスの効いた大人の辛さで美味しかったですよ!

夢は「世界の人たちとのコミュニケーションの場」

最後に今後の展開について伺いました。現在、民泊を申請中で、認可されれば国内や海外のサーファーやサーフィンをやりたい方向けの「サーフステイ」が正式に可能に。濱田さんは「サーフィン、カフェ、ヨガに加えてステイ(宿泊)もセットにして、世界の人たちともコミュニケーションするのが夢」と語ってくれました。

「こしごや」は“リラックスした湘南ライフ”を体感できる、大人の空間です。サーフショップというと、サーフィン初心者には敷居の高いイメージがありますが、カフェやヨガを入り口に“まったりゆったり”過ごせる「こしごや」のようなサーフショップがあってもいいですよね!

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