雪を追いかけて
長らく更新が滞ってしまいました、雑誌編集者の尾日向梨沙です。
冬の間は湘南から離れて、ほとんど雪山に出かけています。私のスキーシーズンは大体11月下旬~6月上旬まで、約半年、雪を追い求めています。季節外れのようだけれども、本気の雪山好きにとって5〜6月は、ようやくシーズンも終わりかな~という時期なのです。
今回はそんな長い雪の季節のお話し。
初雪の便りが届く11月。今シーズンは編集室のある北海道ニセコでシーズンを迎えました。スキー場がオープンするには積雪が足りなかったけれど、雪が積もるといても立ってもいられず、スキーをつけて雪原を歩いたり、営業前のスキー場を登って滑ったり。
〔Main image taken in Zermatt, Switzerland, by Yoichi Watanabe〕
Niseko, Hokkaido
12月、1月は新雪の美しい季節。シーズンはじめのスキー場は、まだ元の地形もよく残っていて早い時期ならではの滑走の魅力が詰まっています。
編集を手がけている『Stuben Magazine』の拠点・ニセコには、世界一とも言われるパウダースノーを求めて海外から大勢のスキーヤー、スノーボーダーが訪れます。スキー場が混んでいるときは人知れず里山を登り、滑ることも。
Niseko, Hokkaido
2月、3月は取材のハイシーズン。北海道、長野、新潟、東北などなど各地をめぐり、その地に暮らす人々の取材を続けます。
Hakkaisan, Niigata
3月~4月は毎年海外へ足を運んでいます。今年はオーストリア、フランス、スイスのヨーロッパアルプスへ。雪の少ないシーズンでしたが、ヨーロッパの大型リゾートは標高が高く、索道などのシステムも最先端で、素晴らしい景色の中で快適にウィンタースポーツを楽しむことができます。スキーの長い歴史と文化をもつ土地からは、学ぶことも多々。
Lech Arlberg, Austria photo by Yoichi Watanabe
4月~5月はスプリングスノーの気持ちいい季節。春特有のよく走る雪に、暖かな日差し、山の麓では木々の芽吹き。高原は天国のように美しく、ついついニセコや白馬に長期滞在してしまいます。山菜をとってきて、滑った後にいただくのも最高!
Niseko, Hokkaido
Hakuba, Nagano
多くのスキー場は、遅くてもゴールデンウィークでクローズしますが、今年は残雪が多く、営業を延長しているスキー場もあります。5月中旬に訪れた、山形の月山スキー場は豪雪地帯で7月まで営業!
Gassan, Yamagata
寒いところから湘南に帰ってくると一斉に春の花の香りがしたり、すっかり夏の空気に変わっていたり、その急激な変化に不思議な思いを抱きながら、日本の自然の豊かさと多様性を心地よく感じます。
湘南には雪山つながりの知人も多く暮らしていて、そんな仲間たちと暖かくなった海に入ったり、BBQをして、あそこの斜面が良かっただとか、あそこの残雪が多いだとか、情報交換するのも良い時間なのです。自然の近くを選び暮らしている人たちは、海も山も同じで、移ろう自然の美しさと共存しながら、自然からのエネルギーをいただいて生きているのだな~と思います。
Kugenuma
Kamakura
今年の滑りおさめは6月6日、立山へ。素晴らしいコンディションに恵まれました。これからの季節は湘南で原稿書きに専念です!
Tateyama, Toyama photo by Yoichi Watanabe
あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜
鵠沼の自然を感じながら暮らす編集者が、
当コラムの執筆者、尾日向さんの発行しているスノーカルチャー誌
『Stuben Magazine』の公式ウェブサイトはこちら:http://stuben.upas.jp
ライター情報
尾日向 梨沙
編集者。東京都出身、藤沢市鵠沼在住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスでウィンタースポーツを専門に取材、執筆。2015年に北海道ニセコの写真家とともにスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を発行。2019年より鵠沼の国登録有形文化財と周辺の緑を守る活動を開始。『松の杜くげぬま』管理人として様々なイベントを開催している
https://www.facebook.com/matsunomorikugenuma
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