魚とカレーの幸せなコラボ!魚屋直営の洋食屋「魚とカレーのお店」オープン

藤沢駅北口商店街にある「ふじやす食堂」をご存じでしょうか? 鮮魚店・ふじやす水産直営だけあり、新鮮な刺身がいっぱいの海鮮丼などが人気で、お昼時には多くの方が行列をつくる人気のお店です。そのふじやす水産が新たに「魚とカレーのお店」をオープンさせたとのことで、早速、行ってきました。

ランチタイムは早くもお客さんでいっぱい!

オープンしたのが8月27日、その4日後に訪ねてみると早くも店内はお客さんでいっぱい。まだまだ夏本番の暑さにも関わらず、外で順番を待っている方もいらっしゃいます。今回注文したのは、一番人気という「お魚のフライカレー」。カレーにトッピングされるフライは日替わりで、今日はカジキマグロです。

間もなく提供されたのは、カレーの香ばしい薫りが食欲をそそり、欧風カレーならではのコクと旨味がギュッと詰まった一皿。「日本では欧風カレーと言いますが、外国の方に言わせると、これはジャパニーズスタイルだそうですね。でもそんな親しみのあるカレーの味を、プロならではの味まで高めるところが腕の見せ所なんです。」と語るのは店長の蓮尾嘉宏さん。

蓮尾さんは珊瑚礁の元料理長という、カレーの“プロ中のプロ”!

蓮尾さんと聞いて、ピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう、以前は藤沢駅南口でカレーBar「Curry Tavern」を経営していた方で、さらにその前は鎌倉の名店「珊瑚礁」にて料理長を10年以上務めていたという経歴の持ち主。まさにカレーのプロ中のプロなんです。

こちらのカレーの特徴は、ビーフカレーなどの肉系には動物系のしっかりしたダシ、海老などの魚介カレーには魚介の味を殺さないようにやや薄味の魚介系ダシと、カレーに合わせてダシを使い分けて、ベースとなるカレーソースとミックスさせるWスープ仕立て。この丁寧なひと仕事が、ワンランク上の奥行きのある味わいを生み出すのでしょう。

  • 蓮尾店長

  • 丁寧にじっくり煮込んだカレーソース

魚屋の“内側”に入る魅力

では、なぜそんなプロのカレー職人が新たに店を立ち上げたのでしょうか。「今年の3月頃、私の経営していた「Tavern」に何度か足を運んでくださるお客さまがいて。『よっぽど気に入ってくれたのかな』ぐらいにしか思っていなかったんですが、実はその方がふじやす水産の社長さん。そしてある日、『うちでカレー屋をやろうと思うが、店長になってくれないか』とのお話をいただきました。」と蓮尾さん。

何度か社長と話をするうちに、「Tavern」を閉店して新店を立ち上げることを決意します。けれども順調に行っていたお店「Tavern」をたたむことに躊躇はなかったのでしょうか。「私は料理オタクなんです。いつもは魚を魚屋さんから買って料理をしていますが、新店ならば魚屋さんの内部に入り込むことができる。色々な魚を使って料理がつくれ、普通ならば捨ててしまうような部位を使ってダシを取るなど、さまざまな新しいことに挑戦できる。その魅力に惹かれたんです。」

  • 看板娘のスタッフは美人姉妹!

ふじやすで待望のディナータイム

ふじやす食堂はランチのみの営業なので、「魚とカレーのお店」のオープンにより、“ふじやす”の味を夜も楽しめるようになりました。ディナータイムは新鮮なカルパッチョをはじめとするさまざまな海鮮料理がずらりと並び、種類豊富な世界各国のビールやグラスワインなどお酒と合わせて楽しめます。ビールは、ほかではあまり見かけない珍しいビールも多い一方で、ハワイのブルームーンやベトナムの333ビールなどのメジャーなビールは、かなり手ごろな価格で提供するのもこだわりだそう。

  • 豊富な料理に…

  • 豊富な海外ビール

バラエティに富んだおつまみを肴に一杯やった後、締めの料理にはカレーはもちろん、スパゲッティもご用意。実は蓮尾さん、珊瑚礁で務める前にはイタリアンのシェフの経歴もあるとのこと。だからこそ、新鮮な魚介を使った数々のパスタも得意メニュー。そんなパスタひとつをとっても、蓮尾さんなりのこだわりがあるのだとか。

  • 三種のカルパッチョはビールと

自分の味を押し付けず、真ん中の味を追求

「自分の味を追求してお客さまに押し付けるのではなく、“世の中の真ん中の味”、つまり今、受け入れられる味を探し、それに合わせて味を変えます。例えばご年配の方にアルデンテは出しませんし、味の濃さも調整します。一方で若い方であれば、少し刺激的な味にしたり。そうやってお客さまの顔を見て、味を変えられるのがこうした小さいお店の醍醐味であり、料理人の腕の見せ所なんですよね。」(蓮尾さん)

  • 「アサリの白ワイン蒸し」はワインと合わせて

魚屋直営ならではの新鮮な魚介類を使った、カジュアルに楽しめる“真っ当な洋食屋”。決して驕ることなく、味的にも価格的にもお客さんに寄り添ったその姿勢は、すでに伝わっているのでしょう。開店直後から、早くも人気店になった理由が分かった気がします。“皆さんに知ってほしいようで、知られて欲しくない”。そんな素敵な店がまた誕生しました。

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