教科書にも載る由緒正しきお寺。藤沢の街を見守る「遊行寺」。

藤沢駅を中心とした市街地から少し離れたところにある「遊行寺(ゆぎょうじ)」。国道1号線と湘南の海を結ぶ箱根駅伝のコースに位置し、東海道随一ともいわれる木造本堂など数々の文化財を有する由緒正しきお寺です。

お祭りなどのイベント開催時は多くの人々で賑わい、普段は寺院ならではの落ち着いた雰囲気に包まれる境内は、厳かさと心地良さに包まれた癒やしの空間です。「清浄光寺」の名で歴史の教科書にも載っている湘南有数のスポットを少しだけ覗いてみましょう。

藤沢を見守ること、700年以上。由緒正しき時宗総本山。

遊行寺は「踊り念仏」で知られる時宗の総本山で、一説では「藤沢」という街の発祥地ともいわれています。一般的には東海道の宿場町というイメージがありますが、それよりもずっと前から藤沢は遊行寺の門前町として発展してきました。

700年近い歴史を紡いできた遊行寺は、寺の創建と時を同じくして境内に植えられたという大銀杏の木や、同じく境内にある釣り鐘などに加えて、国宝『一遍聖絵』が宝物館に展示されたりと、指定文化財が数多く集まる場所となっています。

ちなみに、遊行寺は明治天皇が仮宮として滞在したこともあり、その際は岩倉具視や西郷隆盛らも同行していたといいます。

湘南方面の観光ツアーやお散歩スポットにも。そして、実はペットOKなんです。

こうした経緯もあり、遊行寺は藤沢の行政・経済・文化などあらゆる面に関わりを持ってきました。近年は『藤沢市民まつり』『遊行の盆』といった催し物へのスペース提供や、落語家を招いての公演、そして国内外からの観光ツアー受け入れなども行っています。

イベントがなくても、境内は普段から自由に出入り可能。ロードバイクでのツーリングやハイキングの休憩に、あるいはペットとのお散歩で訪れる人々もいるとか。そう、少し意外かもしれませんが、遊行寺はペットOK(※屋外のみ)なんです。

車の通りがなく安全ということもあって、近隣の子どもたちが境内にやってきて追いかけっこをすることもあるそう。昔はどの街でも見られた光景が、ここ湘南にも少しずつ戻ってきているようです。

湘南特有のゆったりとした時の流れを感じたり、子どもたちの姿を見て在りし日のご自分に重ねてみるのもいいでしょう。凛としていてどこかやわらかな雰囲気の「遊行寺」で、いつしか忘れかけていた何かを見つめ直すひとときを持ってみてはいかがでしょうか。

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