最高のビールと自然派ワイン、至福のダイナー辻堂『MONK』

辻堂駅から歩いて3、4分。繁華街の喧騒から離れた静かなエリアに、ぽつんとたたずむ素敵な外観。ドアを開けると、何とも言えない昭和レトロな雰囲気と心地よい音楽。「MONK」は今年1月、辻堂にオープンしたとびきりのダイニングです。

目移りする豊富なメニュー

こちらの名物はクラフトビールと自然派ワイン、そしてイタリアンを基本とした至福のフード。スペインバルのピンチョスを思わせるお酒にぴったりと合う軽食から、ボリュームたっぷりの肉料理や本格的なパスタまで、あらゆる美味が勢ぞろいしています。

  • 元はスナックだったという店内

ビールとぴったりのメニューがズラリ

自慢のメニューを聞いてみると「季節ごとの旬の限定メニューがおすすめで、今なら白子や牡蠣などがいいのですが、通年あるもので定番人気はこちらです」とオーナーの玉井さんが提供してくれたのは「アボカドカニソース バケット添え」。濃厚なカニの味と完熟アボカドのまろやかさの中に酸味とスパイスがきいたソース、そこにバケットにディップしていただく、おつまみに最適のひと品。

手軽なファストメニューとは思えない、手間ヒマをかけた料理に思わずほほが緩みます。そして、茅ケ崎が誇るローカルクラフトビール・バーバリックワークスの生をぐいっと一口。ビターな苦みとコクが効いたビールが、一日の疲れをすべて洗い流してくれます。

  • ビールにもサイダーにもぴったり

辻堂ローカルの協力を得て、お店をオープン

ここ辻堂に居を構えるのにあたり力となったのは、このお店のすぐ近くにあるスペインバル「バルパンチョ」さんだそうで、店の内装デザインのアドバイスなど、親身になって相談に乗ってくれたといいます。その結果、以前の昔ながらの昭和のスナックの雰囲気を極力残しつつ、高級感と趣が感じられる何とも言えない味のある空間に仕上がりました。

  • 何とも絵になるレトロな雰囲気

目指すのはバスク地方の食堂

北欧のカフェからイタリアのワイナリー、スペインのバルセロナやバスク地方など、30代の頃は毎年どこかの国へ旅に出かけていたという玉井さん。そんな玉井さんが目指すのは、スペイン北部、サン・セバスチャンで観た休日の光景だとか。

まだ日が高い昼から、地元民も観光客も分け隔てなく家族そろって食事やワインを楽しんでいる。そんな風景を見て、「何気ない光景に見えて、なかなかない。素敵だなと思いました」(玉井さん)。

  • 豊富な経験が店に活かされている

  • 何気ない会話も料理を美味しくする

イカが薫る、ボリューム満点のパスタ

さてビールで喉を潤したところで、おすすめのパスタ「スルメイカとその肝、芽キャベツのラグーソース」をオーダー。グラスワインは、ヴェネチアのワイン「Muni」を合わせてくれました。ぷーんと漂うイカの香ばしい薫りに、食欲は高まる一方。隣のテーブルからも思わず「いい匂い!」の声が届きます。

期待に胸を膨らませ、ひと口いただくと思わずうなずくばかり。この美味しさに言葉は要りません。しっかりとした芳醇なソースが太めのむっちりとしたリングイネにしっかり絡み、噛むほどにラグーの旨味が押し寄せます。まさに「絶品」、その一言に尽きます。

絶品料理を生み出す、石井シェフ

この数々の絶品料理を生み出しているのは、石井優克シェフ。都内のカフェやイタリアンでの経験を経たのち、鎌倉のイタリアンで玉井さんと知り合った石井シェフ。玉井さんはそんな石井さんの確かな腕に惚れ込んだだけでなく、音楽の趣味も合うという感覚の近さに共鳴。「お店をオープンする際は、石井さんと一緒に。」と心に決めていたそうです。

  • 石井優克シェフ

  • 惚れ惚れとする、鮮やかな手さばき

さて店内を見回すと、ワインも進み玉井さんとの会話も弾むお客様たち。そしてセンスのいいBGMが雰囲気を盛り上げます。「MONKという名前は、ジャズピアニストのセロニアス・モンクから拝借していますが、それだけじゃありません」と玉井さん。

「音楽が大好きなので、音楽に関連する言葉でさらにイメージを特定されない抽象的な名前がよかったんです。「MONK」って日本語の「文句」ともとれるし、あと英語で修道院という意味もあり、かつてワインは修道士がつくるものだったんです。そんな色々な意味を込めて、この名前を付けました」(玉井さん)

  • ランチ「海老と虹色畑さんの彩音キャベツのレモンクリームソース」

元DJならではの音楽のセレクト

以前はDJをしていたという玉井さんは、好きな音楽もロックからソウル、ジャズにヒップホップとこちらもボーダーレス。「料理と同じで、節操がないんですよ(笑)」と謙遜するが、ジャンルにとらわれない自由な雰囲気は、この玉井さんの独特な感性が成すもの。

あらゆるものを貪欲に取り入れ、常に“美味しいもの、素敵な店”を探し続けているという玉井さん。“間違いなく、この先辻堂を代表する名店になるのでは”。そんな期待を抱かせてくれる注目の新店で、ジャンルレスでボーダーレス、自由な感性にこころをときめかせてみてはいかがでしょうか?

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