目指すは“カルチャーを発信する車屋さん”。湘南・鵠沼の空冷ワーゲン専門店。

その愛くるしい独特なフォルムから、今でも多くのファンが存在する「空冷フォルクスワーゲン」。「ビートル」や「ワーゲンバス」という愛称で呼ばれ、世界で最も台数の多いクラシックカーとして知られており、湘南では走っている姿を頻繁に見ることができます。

そんな空冷ワーゲンを専門に取り扱う専門店「BUGS GARAGE(バグス・ガレージ)」が、2017年春に鵠沼にオープンしました。「ワーゲンの魅力をより多くの人々に知ってもらいたいんです」と話すのは、オーナーの戸田さん。空冷ワーゲン専門店が既に多くある湘南の地で、他とは違ったお店を目指していくと意気込んでいます。

ラフでありながら、ちゃんと乗れるのが「空冷ワーゲン」の魅力。

空冷ワーゲンには、「ビートル」の愛称で親しまれているタイプ1、「ワーゲンバス」として知られているタイプ2、実用的なステーションワゴンとワーゲンデザインのスタイルを両立したタイプ3など様々なタイプの車が存在します。

その種類の多さから、海ではサーフィンのお供として、山ではキャンプなどのアウトドアのお供として、街では一風変わったファミリーカーとして、様々なライフスタイルのシーンで使われているのが、空冷ワーゲンの特徴でもあり魅力の一つです。

そんな空冷ワーゲンで楽しむことができる様々なスタイルをいろいろな人に知ってもらいたいという想いから、BUGS GARAGEの店頭には、常時4〜5台のワーゲンが展示されています。

クラシックカーというとどうしてもハードルの高さを感じしまうもの。そういった人にもワーゲンのカルチャーに触れてもらえるようなお店を目指していることから、なるべく多くの種類と様々な価格帯の車を取り揃えるようにしているのだそうです。

実際、店頭には100万円以下で乗り出せる手軽な個体から、発売当時のオリジナルスタイルを維持し続けている数百万円の車など、様々なワーゲンが並んでいます。

以前はマーケティングの仕事をしていたという戸田さん。その経験を活かし、個人からの買い取り、アメリカのワーゲンバイヤーなど独自のルートを持っており、他のワーゲン屋にはない強みなのだそうです。

「空冷ワーゲン自体は非常にラフに乗ることができる車なので、お売りする車も最大限の実費で無駄なお金をかけず乗ってもらいたいと思っています。ワーゲン界だけの常識にとらわれない、車好きの人がちゃんと集まれる環境を作っていきたいですね」

娘の一言で開くことになった、「地域に根ざす車屋さん」。

もともと車好きの父親の影響があってヴィンテージカーに興味があったという戸田さん。そして、ワーゲンと初めて出会ったのは、ワーゲンカルチャーの中心地であるカリフォルニア・ロサンゼルスでした。

「社会人になってしばらく経ってから、仕事の都合でロサンゼルスに住むことになったのですが、知人を通してワーゲンのイベントをやっていることを知ったのです。そのイベントで71年式のワーゲンバスと出会って衝動買いしてしまいました」

最初はファンの一人として始まったワーゲンライフ。年数が過ぎていくとスタイルが変化していったのだそうです。

「ロスで乗っていたワーゲンバスは日本に持って帰ってきて、しばらくはサーフィン用に使っていました。そしてしばらく時間が経ってくるとワーゲンの楽しみ方も変わってきて、イベントに行ったりキャンプに行ったりするようになったんです。ワーゲンの楽しみ方がどんどん広がっていったんですね。すると複数台所有するようになるようになり、副業で簡単な車の卸しみたいなことを行うようになりました」

趣味が高じて始めたワーゲンの卸業。そして最終的に本格的にお店として、車屋の看板掲げることを決めたのは、愛娘の一言でした。

  • ▲ 敷地内にはピラティススタジオも

「ワーゲンの卸しを手伝い続けていると、ありがたいことにワーゲンショップの方から“お店をやるなら手伝うよ”とお声がけいただくようになりました。でも、自分でワーゲンショップを開こうと思ったのは、娘の一言でしたね。ワーゲンをたくさん持っているなら、お店開いちゃいなよと言ってくれたんです」

最初はファンの一人としてワーゲンライフをスタートさせ、念願お店を開いた戸田さん。今後は地域に根ざす車屋を目指していきたいと話しています。

「今後は車を売るだけでなくワーゲンライフを楽しむことのできる価値を提供できるお店にしていきたいと思っています。車屋でありながら、様々なライフスタイルを紹介し、ゆくゆくはカルチャーを生み出せるような場所になればいいなとも考えています。

なので、敷地内にはピラティスのスタジオや『エアストリーム』というキャンピングカーの販売もやっていたりします。車好きの方はもちろん、様々人々に楽しんでもらえる空間を作っていきたいですね」

ワーゲンのあるライフスタイルに興味がある。そう思っている人にはぜひ訪れてほしいお店です。きっとワーゲンを愛するスタッフの皆さんが笑顔で迎えてくれるでしょう。

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