その安らぎは実家のように。囲炉裏のお宿「鎌倉ゲストハウス」。

「鎌倉ゲストハウス」は、まだブームが生まれる前の2010年に鎌倉初のゲストハウスとして誕生。日本全国のみならず、世界中から人々が訪れています。

いつでも暖かく出迎えてくれるスタッフやオーナーたち。囲炉裏と縁側を備えた純和風な佇まい、そして寝るときはお布団で……どこか懐かしい、まるで実家に帰ってきたかのような安らぎのひと時を感じるこのお宿。世界各国の方々との交流を求めている方はもちろん、リピーターも数多く訪れ、“鎌ゲス”の愛称で親しまれています。

  • ▲ 天井が高く開けた男性ドミトリー

  • ▲ 暖かな光射し込む女性ドミトリー

  • ▲ 和風の2段ベッドがある個室

“鎌ゲス”といえば、囲炉裏のあるコモンルーム。

実はこの囲炉裏、この場所がゲストハウスになる決め手になったものです。ここには自然と人の輪が生まれ、気づくと談笑が聞こえてくる……ということもしばしば。

座布団は布団とともに毎日干されているためふかふかで、コモンルームには暖かな太陽の香りが漂います。そんな誰もが幸せに過ごせる空間がオーナー夫妻には見えていたに違いありません。

冬季になると火が灯り、地元・湘南で仕入れた朝獲れの魚をスタッフが串焼きにして振る舞います。炭火で焼かれた魚を食べるひとときは格別。

夏場には囲炉裏の火は灯りませんが、かき氷を召し上がれます。シロップの中からお好きな味をスタッフに頼んでみましょう。手動のかき氷機で削られた繊細な氷が、火照った体をやさしく冷ましてくれます。

  • ▲ こころも体も温まる囲炉裏に集まり、みんなが自然と会話し始める…そんな光景が冬の日常です

  • ▲ レトロでかわいいかき氷機は、オーナー夫妻の旦那さんから奥様への誕生日プレゼントなんだとか

スタッフたちも、ゲストハウスの魅力のひとつ。

「ここのスタッフを経験する魅力は、多くの人達と出会えて、その人達といろいろなお話ができることですね」と語るのは、マネージャーを務める須田さん。

情報交換がしたい人、かたや静かに過ごしたい人……と様々な思いを持ったお客さんが訪れる、一般的な宿泊施設とはひと味違うゲストハウス。そんなゲストハウスで、誰もが居心地のいい空間を創り出しているのは個性豊かなスタッフたち。お客さん同士だけではなく、そんな気配り上手なスタッフとの会話を楽しみに来ているお客さんもいるほどです。

  • ▲ デフォルメされたスタッフの絵は本人そっくり!

旅人たちが、同じ畳の上に座ってだんらんする鎌倉ゲストハウスの夜。

一期一会の出会いを楽しむことができるのがゲストハウスの醍醐味。ひとりでも、あるいは誰かと一緒に来ても、そこには新たな出会いがあります。

初めて知り合った同士でも、ちょうど良い距離で共に豊かな時間を過ごすことができ、語らう人もいれば、晩酌する人もいる。その日その時に、その人と出会えたことで生まれる繋がりが旅人達に共有され、鎌倉ゲストハウスの夜は更けていきます。

鎌倉ゲストハウスの始まり、“街歩き”で出会った佇まい。

沖縄にあるゲストハウスで共にスタッフをしていたオーナー夫婦。「子育てをするなら、自然との調和が取れて暮らせる街で、そこにゲストハウスを作りたい」という想いから、理想の物件を求めて日本全国を行脚。その最中に鎌倉へとやってきました。

物件の探し方はなんと“街歩き”。インターネットで情報を探すのではなく、自分たちで鎌倉を歩き回って物件を探したといいます。そして、宮大工が秋田杉の梁や柱を使って建てたという元料亭の物件と奇跡的に出会い、鎌倉ゲストハウスが生まれます。

鎌倉ぐらしの魅力と、楽しむための秘訣とは…

「鎌倉は生活圏内にスーパーや保育園などが揃う、充実した住環境のある街。そして都内ではなかなか難しいストレスの発散が、ここではできるんです。何も考えたくないと思った時は海へ、いろいろ考えたくなった時は山へ……と自然と共に生きる暮らしができるんですよね」

こう話すのは、鎌倉ゲストハウスの女将・夏代さん。鎌倉移住のコツを聞くと「自分が周りの方に気持ちを開くことですね。そうすると、どんどんと輪が広がっていきます」と教えてくれました。

子育て真っ最中の夏代さんは、今後は地域との関わりをより大切にし、成長していく子供達の記憶の中の風景でも輝き続けるゲストハウスにしたいそう。将来的にはゲストハウスに駄菓子屋を併設して、地域の方や子どもたちも集まれる場所を作りたいんだとか。

「鎌倉ゲストハウスは私達だけではなく、お客さん、スタッフ、総勢60名以上の元スタッフに支えられ、育てられてきました」と語る夏代さんの眼差しと笑顔。それはまるで自分の子供の話をするような優しさに溢れ、とっても印象的でした。

人々のあたたかさと優しさに育まれた「鎌倉ゲストハウス」。ここに宿泊して、ほっこりとした鎌倉時間を感じてみてはいかがでしょうか?

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