湘南で暮らす人々

心地よくピースな街。稲村ヶ崎で海と風を感じながら奏でる生活。〜オッッッッツェさん(社会音楽家)/ yukimiumさん(水彩作家)〜

住宅地の間を江ノ電がはしり、海と山が隣接している稲村ヶ崎。新鮮な空気と潮風を感じて暮らすOさん家族に会ってお話をきいてきました。

ご主人の博幸さんは、東京と稲村ヶ崎をベースとして、社会音楽家「オッッッッツェ」として活動。 奥様の幸実さんは、似顔絵や景色を描く水彩作家「yukimium」として活動しているアーティスト夫婦です。

東京に住んでいたふたりが湘南に引っ越してきたキッカケは、博幸さんが、ミュージシャンCITTAさんの音楽を気に入り「この人たちはどんなところで生活しているんだろう?」と思ったことがはじまり。 その後、CITTAさんが鎌倉にすんでいることを知り、湘南へ足を運んだのだとか。

ゆったりとした時間の流れ、目に飛び込んでくる風景の美しさ。そして、ギターを背負って歩けば、昔の地域のように話しかけてくれる気さくな人たち。 もともと関西の自然豊かな地域で育ち、地域のつながりがあることがあたり前な環境で育った博幸さんには「それがすごく心地よかった。」 「地域と共に暮らす。そんな感覚で生きていきたい」そう思い、自分の感性を磨くべく引越を決めたそうです。

湘南をベースとして3年。芸術家が多く住む鎌倉エリア。 「構えることなく自然体で、人や芸術とふれあえる。それが僕にとっては最高です」と博幸さん。「風を感じるときが、幸せを感じる瞬間」という幸実さんも、スマートに協力してくれる人が多いことに、日々感謝の気持ちだそうです。

そんな2人が唯一悩まされているのは、湿気からくるカビの多さ。実際に生活しみて、初めてわかったそう。とは言え、湘南暮らしを満喫する今となっては、その湿った空気も感性にフィットしている気がしているのだとか。

湘南で磨かれるアーティストとしての感性。

ふたりのお子さんがいても、アーティストとして精力的に活動するふたりのルーツをお伺いしました。

博幸さん、もとい「オッッッッツェ」は、教育一家の四男として関西で生まれ育ちました。学生時代からミュージシャンを夢みて街角ライブをする日々を経て、大学卒業後、教員に。子供たちにギターを教えているうちに音楽で本気で勝負しようと思うようになり、25歳で上京しました。

教育者としてのノウハウと、音楽家としての経験をミックスして、知的障害や発達障害を抱えている子たちにワークショップをしたり、障害を抱えているダンサーとイベントを行っているオッッッッツェさん。今では、仲間と共に「社会音楽家」という、新しい文化と場所をつくるようになったそうです。

そんなオッッッッツェさん、実は湘南に引越してきてから、「音楽性がめっちゃ変わった」とのこと。 以前は、メッセージソングをつくることが多かったけれど、今は自然をモチーフにしたり、インストをやるようになったり。 ニューアルバムの「Land Scape」では、そんなオッッッッツェさんの変化を感じることができる仕上がり。

ちなみに、オッッッッツェさんご自身のイチオシは「星空と僕らのルール」。 編集部Kのオススメ「おめでとう ありがとう」も素晴らしいので、ぜひ! 心に染み渡る歌詞と、透き通るような声を持つオッッッッツェさんの音楽に耳を傾けてみてください。

幸実さん、もとい「yukimium」のキャリアもユニーク。グラフィックデザインを学びデザイナーとして働いていましたが、副業で書き始めた似顔絵が評判を呼び、本業に。しかし、当初のポップなタッチに、自身で違和感を持つようになり、10年目を迎えた頃に「今のスタイルでいいのだろうか」と自問し始めたといいます。そのうちに湘南へ引っ越して生活の変化もあり、風景画を描くようになり、絵も変化したのだそう。

なお、先日まで行われていた「極楽寺・稲村ヶ崎アートフェスティバル」のポスター・冊子では、yukimiumの風景画が使用されました。今でも、水彩で似顔絵を描くyukimium。彼女の描く似顔絵は、内面からにじみ出る人間性を感じ、写真よりもその人のパーソナリティが表現されています。

お子さんが通う「青空保育」の子供たちに、音楽や絵のワークショップをすることもあるそうです。子供たちの生き生きとした笑顔を見る時間が最も楽しいのだとか。 この湘南という環境で、五感と感性を磨き、スローライフを楽しむおふたりの紡ぐ歌や絵に、一度触れてみてはいかがでしょう。

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