海がもっと好きになる! この夏、片瀬東浜に戻ってきた アスレチック「ちびっこBEACH SAVERパーク2021」

2020年は湘南各地の海水浴場が閉鎖されましたが、2021年は鎌倉市などの一部地域を除き、海開きが行われました。屋外の海といえども安全とは言いきれませんが、せっかくの夏休みに家に閉じこもるのも…

そんなことを考えている皆さん、今夏、感染症対策を徹底し片瀬東浜に再びオープンとなったアスレチックパーク「ちびっこBEACH SAVERパーク2021」へ出かけてみてはいかがでしょうか? 楽しい遊びはもちろん、さまざまな体験ができる施設となっているようです。

片瀬東浜に巨大なアスレチックが出現

片瀬東浜を江の島方面に向かって歩くと、海水浴場の境を表す白い杭の手前に船の形を模した巨大なアスレチックパークが突如出現。多くの子ども達が歓声を上げながらトランポリンで跳ねたり、レールから伸びたロープにぶら下がって走る遊具を楽しんだりしています。

この施設は、日本財団・総合海洋政策本部・国土交通省の旗振りのもと、オールジャパンで推進する「海と日本プロジェクト」の一環として、「江の島海水浴場営業組合 片瀬東浜」と、江の島を中心に活動する「NPO法人 海さくら」が共同で運営しているもの。7月3日(土)~9月3日(日)の間にオープンし、入場料は無料、中学生以下の方なら誰でも利用できるアスレチックとなっています。

  • 船を思わせるアスレチック

  • 目の前には海と江の島

遊ぶ前には大切な「学び」も!

この施設には、利用する前に必ずしなければならないことがあります。それは“海のゴミについてのお勉強”と“ビーチのゴミ拾い”。約10分程度、周辺のゴミ拾いを行った後、数分の動画や紙芝居で海のゴミについて学びます。

その後、めでたく「ちびっこBEACH SAVER」に認定。その証として「BEACH SAVER」のリストバンドをもらうことができるのです。もらったリストバンドを腕につけて、いよいよ遊びのスタートです。

  • ゴミ拾いの道具を手に、ビーチクリーン開始

  • 親子そろって砂浜のゴミ拾い

  • ゴミがどこからきて、どこへ溜まるのかを紙芝居で学ぶ

小さい頃の遊びが、子どもの成長にとっても大切

驚くのはこのアスレチックの遊び方の豊富さ。その数は、なんと34種類にも及ぶそうです!  壁やネットを登ったり、滑り台で滑走したり、楽器のようなおもちゃをカンカンと鳴らしたりと、一度では遊び尽くせないほど。こちらは、世界で最も進んだ福祉国家スウェーデンで半世紀の歴史を持つ、ヨーロッパ最大の公園施設メーカー「ハグス社」のものなのだそう。

「スウェーデンでは、小さいときに自然環境の中で体を動かして遊んだ子どもは、成長しても創造性を発揮できるといわれています」と教えてくれたのは、スタッフとして参加している「NPO法人 海さくら」の大塚さん。

「ちびっこBEACH SAVER パーク」では、子どもの心と体の成長に役立ついろいろな動作やコミュニケーションを遊びの中から自然に体験できるように考えられており、目の前にある海を合わせると身体づくりに必要な36の動作が体験できるとのこと。子どもの健やかな成長のための遊びを提供しています。

  • トランポリンで跳ねたり…

  • 砂を上に運んで、下に降ろしたり…

  • 子どもの脳や身体づくりに効果的な36の動作が体験できる

まずは「海って楽しい!」と感じてもらうところから

施設運営に携わっている「NPO法人 海さくら」は、江の島の海にかつて生息していたタツノオトシゴが戻ってくるようなキレイな海にするため、「楽しい」「体験」「体感」をキーワードに、毎月のゴミ拾いを中心にさまざまな活動をしている団体です。

そんな「NPO法人 海さくら」の代表である古澤純一郎さんが、2017年の日本財団の調査で、10代の約4割が「海に親しみをあまり感じていいない」ということに気付き、“子どもの海離れ”をなんとか食い止めたいという思いから、2018年から「ちびっこBEACH SAVER パーク」を開催。

2018年の夏に初めて開催され、今夏で3回目。昨年は開催を断念したため、今年は2年ぶりのイベント開催となります。「まずはアスレチック目当てで海に来てもらい、遊具で遊んだ後はそのまま海で遊んでもらいたいです。そこで『海って楽しい!』と感じてもらえたらいいですね」と大塚さん。

  • 「NPO法人 海さくら」の大塚さん

「海のゴミは川から、川のゴミは街から、街のゴミは人の心から」というメッセージ

愛媛大学で海洋力学の研究室と関わり、海の環境問題にも関心を寄せていた大塚さん。湘南に来てそのゴミの多さにとても驚いたそうです。「瀬戸内海の海しか知らなかったので、『これは本気で取り組まないといけない!』と決意しました」(大塚さん)

「NPO法人 海さくら」がメッセージとして伝えているのは「海のゴミは川から、川のゴミは街から、街のゴミは人の心から」ということ。「今まで、ゴミ問題に全く関心がなかった子どもや大人が、海での遊びをきっかけにして、少しでもゴミ問題に興味を持ってくれたら嬉しいですね」と大塚さんは言います。

  • 真剣にゴミを探す、ちびっこBEACH SAVER

  • 集められたマイクロプラスチックに興味を持つ子どもいるとか

地元のJリーグチーム「湘南ベルマーレ」とのコラボ企画も

取材をさせていただいた日は、「湘南ベルマーレDAY」というイベントの開催日で、地元のJリーグチームである湘南ベルマーレ のスタッフも参加。この日は特別企画として、アスレチックや砂浜に番号がついた小さな札が隠され、その札を見つけた子は景品をもらえるという宝探しイベントが行われていました。

アスレチックで遊びつつも札探しに走りまわる子ども達。その姿を見て、まさに子どもに必要な身体づくりとなっている、そう感じました。

  • 札を見事に発見!

  • 念願だったベルマーレの選手のサインをゲット!

「ゴミを拾うと心がスッキリするんです」

ママ友と2人で来ていた方に話を聞いてみると、普段から「NPO法人 海さくら」の活動に参加しているとのこと。「ゴミ拾いをすると何か気持ちがスッキリするんですよ。アレ?私たち変な人って思われない?(笑)」と楽しそうに話すお2人。

「海のゴミ問題に対する活動」というと、いわゆる“意識が高い”系の方たちが取り組むような感じを受けがちですが、それは仰々しいものではなく、気軽に誰もが取り組める“身の回りの出来事”なんだということを改めて実感しました。 

  • 日陰のベンチで親御さんはゆっくり

2021年は、海で思いっきり遊ぼう!

いよいよ夏休みを迎え、夏も海遊びもこれからが本番です。今年の夏は新型コロナにも十分に気を付けながら、 新しい海遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか? こちらの施設は感染対策はもちろん、陽射しが暑い時はミストシャワーも撒かれるので熱中症対策もバッチリ! 安心して遊ぶことができます。

「砂が付くから…」「日焼けが…」と、とかく海を敬遠しがちな人こそ、子どもと一緒にぜひ片瀬東浜へ。「ちびっこBEACH SAVERパーク」をきっかけに、海の楽しさが実感できるはずです。

  • 暑い日はミストシャワーで涼しくなるので安心

  • 海の楽しさを知り、環境を考えるきっかけにも

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