ちょっぴりシックでハートフルな“材木座気分”を、エスプレッソの香ばしさとともに。

鎌倉・材木座の海から少し歩いたところ、街のふとした一角に佇む「ミルコーヒー&スタンド」。ウッドを基調とした店内には、ヴィンテージで味のあるマルゾッコのエスプレッソマシンや、ほんのり懐かしさのある雑貨など、ところどころに温もり感じるグッズが散りばめられています。

どういうわけか、筆者が訪れるのはいつも雨の日……狙っているわけではないのに、いつもお天気にいじわるされてしまいます。でも、そんなことさえ愉しめてしまうほど、こころに余裕を与えてくれるのがこのお店のいいところ。材木座の街のムードと海から伝わる波のリズムが、コーヒーの香りとともにお店に広がっているのです。

もとパン屋さんで、味のあるレトロなタイル貼りの内装。物件の持ち主も、この内装込みで引き受けてくれる人を探していたといいます。そんなバックグラウンドのあったこの場所に、お店のオーナーバリスタ・小林さんは一目惚れ。「ここがいいです!」と、内見のときに即決しました。

「ミルコーヒー&スタンド」で使用しているコーヒー豆は、茅ヶ崎「i don’t know coffee roaster」で焙煎されたもの。エスプレッソはもちろん、焙煎の度合いで味わいが選べるシングルオリジンのドリップコーヒーもあるので、お好みに合わせてぜひ味わってみては。ちなみに、コーヒー豆はお求めになることもできますよ。

鎌倉・材木座で叶えた、小さな頃からの夢。

  • ▲「ミルコーヒー&スタンド」のオーナーバリスタ・小林由佳さん

小さな頃から「自分のお店を開きたい」と思っていた小林さん。専門学校時代にアルバイトをしたイタリア料理店でエスプレッソの美味しさと奥深さに興味を抱き、その後コーヒー店や飲食店のホールでの経験を経て「ミルコーヒー&スタンド」を開くことにしました。

2013年10月にオープンして、そろそろ4年。鎌倉の中では比較的閑静なエリアである材木座にマッチした“街のコーヒー屋さん”として地域の人々に親しまれています。

「楽しいですね。みんな仲良くしてくれるんです。最初はがんばってた時期もあったんですけど、“やれるときにしっかりとやろう”って決めたあたりから余裕が出てきましたね。周りの人たちも“長く続けるならそのスタイルのほうがいいよ”って、理解を示してくれているんです」

「“何もないからいい”とか、ときどき感じます」。

暮らす人としても、材木座のあたたかなムードに包まれながら日々を過ごしている小林さん。「少し不便なところはあるけど、その気になれば材木座だけでもいろいろと揃えられるんですよね。“何もないからいい”とか、ときどき感じます」と話す彼女の表情からは、充実感がほろりと溢れていました。

「(湘南の)外から来ていたときはあんまり情報がなかったんですけど、住んでみるといろいろなお店とか、地元のイベントとかも知れるようになりました」

道路に面した引き戸はもっぱら閉まっているので、パッと見ただけでは見逃してしまいそうな佇まい。でも、路地を少し入ったところにある入口のドアを開ければ、その先に広がるやさしい時間とほんわかしたムードがきっとあなたを癒やしてくれるでしょう。

いつもの鎌倉散策にひと味加えたい……そんなときは、メインストリートから少しだけ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。材木座の街に溶け込む、隠れ家のような「ミルコーヒー&スタンド」があなたをお待ちしています。

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