工房、いや虎の穴?! 「正しいコーヒー」のあり方を発信する、湘南・茅ヶ崎の「i don’t know coffee roaster」。

編集部Kがいつものように平日の湘南エリアを徘徊していると、目に飛び込んできたのが「i don’t know coffee roaster(アイ・ドント・ノウ・コーヒーロースター)」というお店。茅ヶ崎・鉄砲通り、東海岸北5丁目交差点付近にあるお店です。

味のあるイラストを使った看板とコーヒーの薫りに誘われて思わず店内に。あったかいコーヒーをオーダーしようとすると、どうやら様子が違います。そう、ここは平日はカフェとしての営業は行っていません。では……いったい?

トレーニングを受けるため、「我こそは」とバリスタ志願者が集う。

「i don’t know coffee roaster」の主な業務はコーヒー豆の卸し、そして一流のバリスタを育てるためのトレーニング(barista system training)。大手のコーヒーチェーンでスキルアップを図りたい人や、脱サラしてコーヒーショップを始めたい方たちなどが、トレーニングを受けに集っています。

お店を運営する吉田さんのモットーは、とにかく「正しいコーヒー」を提供すること。

「美味しいコーヒーは、飲む人の数だけ存在します。でも“正しいコーヒー”というのは少し違っていて、農産物として、口に入れるものとして正しい扱い方があると思うんです」。だから、美味しいよりも、まず正しい扱いをすることが大前提だといいます。

この思想を理解した人たちのみが吉田さんの教えを乞うことができる、まさにコーヒー道場のような雰囲気。もちろん、そこにはコーヒーを思う存分味わってほしいという想いがあるからに他なりません。

自家焙煎したコーヒー豆も販売。ぜひ、自分で挽いて楽しんでください。

吉田さんはコーヒー業界では知らない人がいないと言われるほど、日本でエスプレッソをいち早く出したお店で修行を積んだ人物。バリスタとしてコーヒーのドリップはもちろん、豆の輸入や、機器のメンテナンス、新人スタッフのトレーニングまでを担当したそうです。

「コーヒーの価値は香りにあります。その香りは炭酸ガスと共に広がります。実は炭酸ガスは、豆の状態では1週間で40%、挽いてしまうとたった2日で40%揮発してしまうんです。炭酸ガスが少なくなるとコーヒー本来の香り成分が取り出しにくくなります。だから、焙煎した豆の状態で買っていただいて、面倒でもご自宅で挽いてください。これだけで何十倍も美味しくなるんです!」

こうした焙煎豆は常時店頭で販売中。また、土日には丁寧にド リップしたコーヒーも味わえます。さらに、妊婦さんや授乳中の方にも優しいカフェインレスタイプも用意。そんなこだわりが詰まった「i don’t know coffee roaster」。なんともへそ曲がり(?!)な店名ですが、一度「正しいコーヒー」を口にしてみませんか?

きっとこれまでの概念を変えてくれるはず!

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