「やり続けていれば何かが起きる」対談:「rhythm tribe」x「anos coffee」(前編)
湘南・平塚のセレクトショップ「Y-Que Trading Post JP」。このお店で展開されていたオリジナルブランド「Numlok(ナムロック)」がメインブランドとなる新ショップ「rhythm tribe(リズム・トライブ)」をオープンすることになりました。曰く、“面白いものを湘南・平塚から発信する”というコンセプトを掲げ、さまざまなジャンルの人々とコラボレーションを構想しているそう。
そんな「rhythm tribe」で販売するドリンクに選ばれたのが、同じく平塚にお店を構える「anos coffee(アノス・コーヒー)」の1杯。数々のコラボレーションを実現してきたオシャレカルチャーの発信地は、『SHONAN garden』でもたびたび取り上げてきました。
今回は「rhythm tribe」代表・矢嶋宏隆さんと、同ショップのプロダクトラインに携わる荒川尊浩さん、そして「anos coffee」オーナー・佐野計さんと、同店プロモーション担当・今井良さんの4人で対談を行いました。前編では「anos coffee」「rhythm tribe」それぞれのルーツに迫ります。
――さて、皆さんよろしくお願いいたします。みなさんに共通するのは“平塚で面白いことをしよう”と思った者同士、ということでしょうか。
今井:
そうですね! それに矢嶋さんと佐野さんはどちらも海外にいらっしゃったんですよね?
佐野:
僕はアメリカのアイオワっていうところでしたね。大学を卒業して、その後機会があって行くことになって、「1年ぐらい遊んでから帰ってこようかな」なんて思ってたんですけど、(過ごすうちに)向こうにハマっちゃって。それからちゃんと勉強して、現地の大学に編入して、結局3年ぐらいいましたね。
僕がいた街はお金持ちの人々が移り住んでくるようなところで、白人が結構多くて、治安もすごく良かったんです。そんなところに、学生とか地元の人々がよく行く「The Java House(ザ・ジャバ・ハウス)」っていうカフェがあったんですよ。そこは勉強したり、もはや寝てたりしてもいいぐらいの場所なんですけど、そこのコーヒーが大好きで。
▲「anos coffee」オーナー・佐野計さん
佐野:
当時は日本にコーヒーが今ほどポピュラーじゃなかったけど、アメリカはそういう文化がすでにしっかりしていたんです。「あぁ、いつか(カフェ)やりたいな」っていうのはその時からずっとありました。
矢嶋:
それじゃ、アメリカにはコーヒーを勉強しに行ったわけじゃなくて、コーヒーと出会った場所がたまたまアメリカだった……ってことなんですね。
佐野:
そういうところに行く人はみんな目的を持って行ってると思うんですけど、僕なんかはそういうのはまったくなくて。「せっかく行くなら日本人がいないところの方がいいかなー」ぐらいのつもりで行ったんですが、結果的にそれで良かったんです。
矢嶋:
僕は初めにアリゾナの高校に通ってたんですけど、カリフォルニアの高校に移って、そこの英語学校で勉強してたときに彼(荒川さん)と出会ったんです。
荒川:
音楽とか映画とかファッションとか、似たようなことを考えてる者同士が集まる学校だったんですよ。日本のいろんなところからも来てたけど、その中でも地元が近かった(※矢嶋さんは平塚出身、荒川さんは千葉出身)からね。趣味も似てたし。
矢嶋:
そうですね。お互い洋服が好きだったし、買い物とかもよく行ってたね。
荒川:
僕はビザの関係で帰っちゃいましたけど、彼(矢嶋さん)はその後もしばらくアメリカに残ったんです。
———
その後現地の大学に入学した矢嶋さんでしたが、紆余曲折を経て退学し日本に帰国。しかしファッションへの想いは日々募るばかりでした。そこで、3ヶ月間というリミットを自らに課して再度渡米。将来につながるコネクションをカリフォルニアで探し求めました。
やがて矢嶋さんはロサンゼルスのショップ「Y-Que Trading Post」でTシャツのプリントを手伝わせてもらうことに。当時はごく小規模だったものの、「やり続けていれば何かが起きる」というフレーズが口癖になるほどオーナーはチャレンジ精神に溢れていたといいます。
そして、その言葉はやがて現実のものに。
▲「rhythm tribe」のプロダクトラインに携わる荒川尊浩さん(写真左)
矢嶋:
3ヶ月の滞在を終えて日本に帰ってきたら、そのお店が出した「Free Winona(フリー・ウィノナ)」っていうTシャツが有名になってたんです。それを聞いてすぐお店に連絡して、直接買い付けて、藤沢駅とか茅ヶ崎駅のあたりで路上販売をしたりしてたんですよ。それで、ある日フリーマーケットに出店していたとき、ある人が自分のところに来たんです。
面白い帽子を被ってたので「それ面白いじゃん」って声を掛けたら、「お前もどうして日本で『Free Winona』を売ってるんだよ!?」っていう会話になって。名刺交換したらその人はデザイナーで、これが「Numlok」のスタートだったんです。メールをやり取りする中で製品のサンプル製作をお願いして、数ヶ月後にはサンフランシスコに行ってそれを受け取って、そのままロサンゼルスで営業し始めました。
いい場所に置いてもらったりもしたんですけど、はじめのうちはなかなか売れなくて。そこで、一番最初にお世話になった「Y-Que Trading Post」のオーナーさんに相談したら、「それじゃウチが日本にお店出そうか?」って言ってくれたんです。
▲ 旧店舗「Y-Que Trading Post JP」は、2017年3月19日にクローズ。12年の歴史に区切りをつけました
こうして平塚に「Y-Que Trading Post JP」がオープンしたのは2005年のこと。はじめは雑貨などを中心としていましたが、矢嶋さんがプライベートで訪れていたショップやインターン時代の知り合いなどを中心にネットワークを広げ、徐々にラインナップを増やしていきました。
後編では「rhythm tribe」「anos coffee」に共通する想いとビジョンについて、そして平塚というエリアのキャラクターについても触れていきます。お楽しみに。
———
rhythm tribe
神奈川県平塚市八重咲町21-5
OPENING 4/1/2017
Tel: 0463-59-9292
【オープニングパーティー開催!】
[開催日]2017年4月1日(土)
[場所]rhythm tribe 新店舗@平塚
Instagram: @rhythm_tribe
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anos coffee
神奈川県平塚市紅谷町16-7 Yo nineビル1F
OPEN:
7:30〜20:30
CLOSE:
– (Opens Everyday)
Tel: 0463-22-1221
Facebook: @anoscoffee
Instagram: @anoscoffee
湘南談義録 -SHONAN casual minutes-
気心知れた相手とのおしゃべり。時に笑いながら、またある時には込み上げるものを感じながら……それは湘南の暮らしをよく表しているひとときかもしれません。
この街の生活を彩るものとは、いったいどのようなものなのでしょうか。本コーナーでは、“湘南の良さ”としてしばしば挙げられる「つながり」をテーマに繰り広げられるトークをお届け。海薫るスローライフのエッセンスをご紹介します。
ライター情報
akira suematsu
湘南生まれ湘南育ちの純・湘南ボーイ。そのわりにサーフィンは未経験だが、鵠沼の海が世界で2番目に落ち着く場所である。まだ見ぬ湘南の魅力、そして多様なライフスタイルのあり方を求めて、ペンとカメラを両手に行動範囲を拡大中。
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