世界を唸らせるバリスタが演出する、和とラテアートの空間。鵠沼海岸「鈴鵠(すずくぐい)」

鵠沼海岸商店街を、江ノ島方面へと進むと右手に現れる風情ある扉。今年鵠沼海岸にオープンした「鈴鵠(すずくぐい)」は、ラテアート世界大会ベスト8の実力を誇るバリスタ、谷尾陽平さんが店主を務める和風カフェです。

ここ鈴鵠では、厳選された最新トレンドのコーヒーはもちろんのこと、世界トップクラスのラテアートを目の前で堪能することができます。

独立を機に大好きだった湘南へ移住し「鈴鵠」をオープン

かつては都内でバリスタとして働いていた谷尾さん。バリスタ7年目を機に独立。長年憧れの地であった湘南に自分のカフェを開業しました。元々は江ノ電沿線でをコンセプトにしたカフェを開こうと物件を探していたそうですが、ふと訪れた鵠沼海岸で見つけた木とガラスの扉に一目惚れ。この物件に即決したのだとか。

店舗を開業する場所としてはもちろん、自分が住みたいと思えるエリアを湘南で探していたという谷尾さん。鵠沼海岸のゆったりとした時間の流れと趣ある商店街は、そんな谷尾さんの理想を叶える場所でした。

  • ↑落ち着いた空間で至福の一杯を楽しめる

  • ↑店内に散りばめられた小物もひとつひとつが宝物だそう

谷尾さんの人生を大きく変えたラテアートとの出逢い

かつてはブラックコーヒーが苦手で飲むこともできなかったという谷尾さん。そんな谷尾さんをコーヒーの世界へと導いたのが、ラテアートとの出逢いでした。

「コーヒーにはこんな楽しみ方もあるのか」と、ラテアートの美しさに感動したことをきっかけに段々とコーヒーが好きになり、いつしか自分のカフェを開くことが目標になっていました。

その後、独立を目指すなら誰にも負けない武器を一つ持ちたいと自身もラテアートの道へ。ラテアート世界大会に4年連続出場し、遂にはベスト8に入賞。その他国内大会でも数々の優勝を飾るなど、ラテアート界においてその名を知らない人はいないほどのレベルへと上り詰めていきます。

「ラテアートをきっかけとして、苦手だと思っていたコーヒーの美味しさに気づくことができました。現在ではラテアートに留まらず、スペシャルティのコーヒー豆で淹れるドリップコーヒーにもこだわっています。自分と同じようにラテアートをきっかけにコーヒーそのものを好きになってくれる方が増えたら嬉しいですね」

  • ↑店内に飾られる賞状とトロフィーの数々

  • ↑ラテアートが出来上がるまでを五感で楽しめる

ラテアートの専門家としてのこだわりを貫いた鈴鵠

エスプレッソに使用する豆は、アジア人で初めてラテアート世界チャンピオンに輝いた澤田洋史さんがプロデュースした「サワダコーヒーブレンド」を使用。ミルクチョコレートやキャラメルのような、ほんのりとした優しい甘さが特徴的です。エスプレッソマシンは本場イタリア製の最高級機種を導入。一杯一杯のラテアートが比類無きこだわりのもとに提供されています。

また、コーヒーと一緒に楽しむのにぴったりなスイーツとして、鈴鵠のラテアートと対をなすもう一つの主役が「抹茶ティラミス」。

イタリア産のマスカルポーネと宇治抹茶をオリジナルレシピで組み合わせ煎茶の容器に盛り付けた、ふわっとクリーミーな味わいと奥深い抹茶の香りが重なり合う一品です。早い時間で完売してしまうことも多いため、確実に食べたいなら午前中の来店がおすすめです。

  • ↑苦味と甘さの絶妙な組み合わせがやみつきに!

  • ↑こちらは夏季限定のレモネード。季節に合わせた創作ドリンクも楽しめる

谷尾さん、そして鈴鵠のこれから

ラテアートの競技者として現役で大会に出場を続けている谷尾さん。今年2019年の10月にも、大阪の『フリーポアー・ラテアート・グランプリ』という国際大会への出場が決まっています。

一方で、大会に出場しながらラテアートを教える講師としても活動しており、鈴鵠ではラテアートのワークショップが毎週開講されています。ラテアートワークショップの開催予定につきましては、店舗公式インスタグラムよりご確認ください。

「ここ湘南から、ラテアートがきっかけでコーヒーを好きになってくれる人が増えたら嬉しいですね。今後は和のメニューをより増やし、季節ごとに新作のオリジナルドリンクも用意してお待ちしております。」そう笑顔で話す谷尾さん。コーヒーを淹れラテアートを作るその姿は、真剣ながらもとても楽しそうでした。

潮風が吹き抜ける鵠沼海岸で、今日も鈴鵠の扉が開きます。

  • ↑目の前で描かれる繊細なラテアートは必見です!

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