ビールサーバーを使って淹れる日本茶!? 体験型スタンドで新感覚のドラフトティーを楽しもう「CHABAKKA TEA PARKS」

鎌倉といえば世界各国から多くの観光客が訪れる一大観光地。

観光の合間に、ほっと一息つけるカフェがたくさんありますが、鎌倉駅西口にある、コーヒーでも紅茶でもなく日本茶を専門にしたスタンド「CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカティーパークス)」は、オシャレに楽しむ“日本茶エンターテインメント”をコンセプトに、全く新しい憩いの場を観光客や地元の人たちに提供しています。

店内はお茶の芳醇な香りに包まれ、オシャレなロゴが刻印された茶缶をはじめオリジナルタンブラーや急須が所狭しと並べられており、そのどれもがハイセンスで「本当に日本茶を提供しているのかな?」と見紛うほど。

身近過ぎて気付けなかった日本茶の魅力と奥深さ

オーナーの三浦健さんは、お茶の名産地として名高い静岡県の出身。専門学校卒業後はアパレル業界に身を置き、接客から商品開発・店舗開発、営業から経営企画まで携わり、まさに順風満帆な社会人生活をおくっていました。

「けど、昔から人よりも起業熱が高くて、いつか起業したいなってずっと思っていて」

そう語る三浦さんに転機が訪れたのは、実家に帰省したときに何気なく口にした日本茶の味。改めて日本茶の美味しさに感動し、日本茶で起業したら面白いかもしれないと感じたそう。

さっそく日本茶の情報集めに奔走し始めた三浦さんは、日本茶のインストラクターやアドバイザーの資格を取得し、知識を身につけると同時に、日本全国お茶の生産地へ自ら赴き、400種類以上のお茶を飲み歩くことで、ますます日本茶の魅力と奥深さにハマっていくことになります。

しかし一方で、日本茶の飲み手や作り手が減少傾向にあるという、日本茶業界が抱える問題点にも気付いていきます。

「いろいろ問題点や課題がある中で、自分がそんな現状を変えられたらなって思ったんです」

日本茶業界で起業しようと心に決めた三浦さんは、客層のターゲットをあえて”日本茶に一番親しみがないであろう“20代中盤から30代にすることで、全く新しいスタイルの日本茶を提供していくことになります。

それが、CHABAKKA TEA PARKS で一番人気のドラフトティー。

  • オリジナルの茶缶やタンブラー

  • とてもオシャレです

  • 店内奥にも広々としたスペースがあります

新感覚のドラフトティーを体験!

ドラフトティーはビールサーバーを使用し淹れる新感覚のお茶で、ドラフトコーヒーから着想を得て、“単純に日本茶でもできないかな”と三浦さんが考えて実現したものです。

ビールを注ぐように専用カップに慎重に注いでいくと、最初は窒素の泡が滞留して白濁していますが、だんだんと透き通っていきます。少し時間をおくと、泡の層とキレイな緑茶のグリーンの層に分かれていき、見た目も鮮やかでとても美味しそうです。

さっそく飲んでみると、お茶の奥ゆかしい爽やかな香りがふわっと鼻に抜け、ほんのりとした甘みが口に残ります。真っ白な泡はとろとろで優しい口あたり。苦みや渋みは全く感じられず、日本茶の甘みや旨みがグッと引き立ち、ゴクゴクと飲んでしまいます。

なによりも新鮮だったのが、サーバーでお茶を淹れるということと、自分自身でカップに注ぐという体験を味わえるということ。ただ美味しいだけでなく、ワクワク感というまさに”エンターテインメント性”を楽しめた瞬間でした。

  • 少しずつ丁寧に注いでいきます

  • 注ぎたては全体的に少し濁り気味です

  • 泡が落ち着いてくるとキレイな若葉色の層ができます

  • 完成です! 鮮やかな色合いですね

ドラフトティーだけじゃない! 三浦さん厳選の茶葉13種類

もちろんドラフトティーが全てではありません。

三浦さんが全国を駆け回り、お茶の生産者から直接買い入れ厳選した13種類の茶葉が、様々な表情を見せてくれます。

特に三浦さんが衝撃を受けたのは、釜炒り茶だそうです。

釜炒り茶は、収穫後に釜のなかに茶葉を入れて酵素の動きを止めて生産されたもので、日本茶というよりも中国茶に近く、スパイス的な味や香りが漂う旨みがあるお茶とのこと。

渋みはなく、九州の一部の農家の方しか生産していないそうなので日本茶マニアの方にはたまりませんね。

すべての茶葉は、一番茶といわれる新茶であること、有機農法によること、一つの銘柄しか生産していないこと(シングルオリジン)、比較的小規模の栽培農家で生産者の強いこだわりが感じられるということ、という三浦さんこだわりの4つのポイントをクリアしたものに限っています。

また、お茶を淹れる際に欠かせない水は、口当たりのまろやかな富士の天然水を使用するという徹底ぶり。

「品質が良くて美味しいのは当たり前で、お客さんにどれだけ良いパフォーマンスができるか、むしろ重要なのはそこです」

 そう弾けるような笑顔で話してくれる三浦さん。取材中もたくさんのお客さんが来店されていましたが、一人ひとりのお客さんに向き合い、サービスを提供する姿に心がとても温かくなりました。

  • 九州地方を中心に全国選りすぐりの農家さんと専属契約を結んでいます

  • 右が煎茶の茶葉で左が釜炒り茶の茶葉。全く違いますね

鎌倉を拠点に国内・国外問わず日本茶をもっと発信していきたい

2018年4月に鎌倉駅西口にCHABAKKA TEA PARKSをオープンし、同年12月には由比ヶ浜にも二店舗目をオープンさせ、起業家としても順風満帆な三浦さん。

会社員時代から、将来は海の近くに住んで仕事がしたいなと漠然と思っており、その中でも鎌倉は喫茶文化がすでに確立された地であったことから、CHABAKKA TEA PARKSを立ち上げるには最適だったそうです。

月額制で飲み放題のサービスをはじめ、無料wi-fiや電源も完備、さらに持ち込みもOKなのも嬉しいポイント。ノマド的に使用したり、コワーキングスペースとして使用する方も増えているようで、みんなが美味しい日本茶を求めて気楽に集まれる、まさに“PARK” 公園のような場所です。

取材時、雨の平日にも関わらず、次々とお客さんがひっきりなしにくる状態でした。常連さんも多いようで、三浦さんセレクトの良質な茶葉の話を熱心に聞き、その確かな味と品質に納得してリピートしている様子。

来年4月からは山手線の新駅である”高輪ゲートウェイ駅”のオープン記念に、イベントスペースにて出店が決定しており、今後ますます三浦さん流の日本茶を軸にしたサービスの展開に目が離せません。

日本茶の新たな魅力に気付かせてくれるCHABAKKA TEA PARKS。その楽しみ方は無限大です。

  • オーナーの三浦さん

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