一人で抱え込まず、頼ってほしい。湘南ママに愛されるシッターハウス「Nana’s House」
鵠沼海岸駅から10分ほどの閑静な住宅街に佇む「Nana’s House」。綺麗に手入れされた植物と、かわいい手書きの看板が目に入ってきます。「いらっしゃい! 」と、明るく元気に出迎えてくれたのがベビーシッターの村田圭子さん。
チャイルドマインダー、ベビーマッサージなど多くの資格を持つ圭子さんは、今年の4月に自宅でシッターハウスをオープン。名前の由来である「Nana」は英語で「ばぁば」という意味です。
ご自身も三人のお孫さんのおばあちゃまである圭子さん。なぜシッターハウスを始めたのか、その想いをうかがいました。
コロナ禍で自分と向き合い、Nana’s Houseを開業
コロナ禍で在宅勤務が増え、今後の人生について考えることが多くなったという圭子さん。お孫さんの面倒を見ている中で、純粋に「子どもが好き」という自分に気づいたといいます。
圭子さんは勤務していた建築会社を退職し、チャイルドマインダーの資格を取得。遂には、自宅でシッターハウスをオープンさせるに至ります。
明るい笑顔からは想像もできませんが、圭子さんは38歳で離婚を経験。シングルマザーとして二人のお子さんを立派に育て上げました。結婚のタイミングで海外へ移住し、サウジアラビア、ベトナム、マレーシアなど、10年以上は海外生活だったそう。離婚後もホテルマンとして働いていたのだとか。
明るく心地よい日差しが入る、白を基調としたオシャレなお部屋
子どもの興味がありそうな絵本や図鑑。クッションマットが引いてあるので乳児も安心
ママたちも罪悪感を持たないでリフレッシュしてほしい
Nana’s Houseでは、その日に子どもがしたい遊びを行います。部屋でお絵描きや塗り絵をしたり、庭の砂場で遊んだり、夏はプールをしたり。大抵の子どもはヘトヘトになるまで遊び疲れて帰るのだそう。
子どもへの声掛けを大切に否定的な言葉を使わない、“穏やかに育てる”家庭的な保育を実践しています。また第2、第4水曜日は専属の先生が教えるキッズフラダンスや英語(日時相談)などのレッスンも。
「息抜きは『育児放棄』ではありません。ママのリフレッシュする時間があって、より良い育児ができる。ママの笑顔は、子どもの笑顔に繋がるんです」と圭子さん。
子どもの好奇心を大事に遊ぶ
人生相談でもいい、何でも話してほしい
Nana’s Houseはシッターハウスだけど、ママのケアもしていきたいと圭子さんは話します。
「かつて私自身も、育児中は精一杯で成長している最中だった。感情的になって反省しての繰り返し。でも、今は第三者の目線でいられる。その視点が大切だと思うんです」
今は核家族化が進んで、ママたちも孤立しがち。吐き出せる場所もなくて、ストレスを溜め込んでしまうママも少なくないのではないでしょうか。そんな中で、虐待のニュースを耳にすると、胸が痛むと圭子さん。
「そういうことを防ぎたい。ママ友に話せないことも、私にだったら話せるかもしれない。だから私に何でも話してほしい」
過去の苦労も笑顔で話してくださる頼もしい圭子さん
心地よいアロマオイルの香り。五感を刺激し脳の発達を促してくれるそう
「幼児虐待ゼロ」それが私の夢
児童虐待防止の運動を行うオレンジリボンの会員でもある圭子さんは、今の日本が抱える社会問題にも警鐘を鳴らします。
悲しい事件の背景に、自己肯定感の欠如などの“満たされなさ”が語られることもしばしばあります。幼少期の体験はその後の人生にも大きな影響を与えるもの。だからこそ、子どもを愛情で満たすこと、子どもが“自分は宝物なんだ”ということに気づけるように、
「子育ては苦悩もあるけど、感動、楽しさをたくさん味わえる。何より“家族の温かさ、繋がり”を教えてくれます。だからこそ、辛い時には頼っていただき、その喜びを感じて子育てをしてもらいたいんです」
保護犬だったひかるちゃん。今ではNana's Houseの看板犬に
若い世代の人たちに貢献できるシニア社会を作りたい
高齢者に寄り添い話を聞く専門家である「シニアピアカウンセラー」の資格も所有する圭子さん。若い世代の人たちに貢献できるシニア社会を作っていきたいという想いのもと、今後は活動の幅を広げていきたいといいます。
「歳をとっても、若々しく活動していきたいという想いを持った同世代の方はたくさんいらっしゃいます。そこで、そんな方々とともに社会に貢献できるさまざまなことをしていきたいと考えているんです」
Nana’s Houseはその一つのモデルとなっていくはずです。今後もママや子ども達に「圭子ママに出会えてよかった」と思ってもらえるように活動していきたい、と周囲を明るくするような素敵な笑顔で話してくれる圭子さん。これからもますますパワフルに活動していく姿が目に浮かびます。
湘南で暮らす人々
本コラム『湘南で暮らす人々』では、この地で生活を営む人々にフォーカス。「やっぱりこの街が好きだ」というみなさん、そして「いつかはここで……」と憧れを持つみなさんと一緒に、多彩なライフスタイルを覗いていきたいと思います。
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村田圭子
1962年東京都生まれ、神奈川県藤沢市育ち。ベビーシッター。結婚、離婚を経験し、二人の娘を育て上げる。現在、三人の孫のおばあちゃま。2019年4月シッターハウス「Nana’s House」を立ち上げる。保有資格はチャイルドマインダー、准卓育インストラクター、MEDIC First Aid ChildcarePlus、米国NLP Practitioner、ベビーマッサージインストラクター、シニアピアカウンセラーと、多岐に渡る。
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Nana’s House
神奈川県藤沢市鵠沼海岸7-18-25
[営業時間]
平日:9:00〜17:00
土日祝:ご相談
時間外:9:00以前、17:00以降は応相談
[お問い合わせ]
Tel:080-5492-7457
ライター情報
中川琴巴
東京生まれ、東京育ち。出版社、レコード会社勤務を経て、現在はライター、算命学鑑定士。海の近くの暮らしに憧れ、2021年湘南に移住。二児の母、子育て真っ最中。おいしい食事とおいしいお酒が大好き。湘南で出逢った“感動”を発信していきたいと思います。
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