ビーチパーク運営一新!安心で開かれたビーチを目指して【後編】

supported by 平塚市

平塚市民の海水浴場(※)としても楽しまれている「湘南ベルマーレひらつかビーチパーク by shonanzoen(以下、ビーチパーク)」は、シーズン問わずビーチバレー、ビーチサッカー、ビーチラグビー、3人制バスケットボールといったスポーツも楽しめる未来型ビーチです。2018年度から株式会社ピースフルが中心となって組織されている「平塚海岸魅力促進共同事業体」に運営が変わり、安心・安全なビーチを重視して新たなスタートをきりました。現在、年間3〜5万人と言われている利用者数を、今後どうやって増やしていくのでしょうか。前編に引き続き、株式会社ピースフル指定管理事業部マネージャーをつとめる米田さんにお話を伺いました。

※平成30年は、7月14日(土)〜9月2日(日)の間、湘南ベルマーレひらつかビーチパーク海水浴場を開設中。

“ビーチバレーのメッカ”としてのジレンマ

「ビーチパークに来てもらうためには、まず、ここが海水浴が楽しめる場所であることを知ってもらわないと。“ここって海水浴場なんだ!?”、そういう声をゼロにしたいです」

“ビーチバレーの場所なんじゃないの?”といった声を耳にするように、ビーチバレーのメッカとして五輪選手も輩出したほどのビーチである。他のビーチにはない、強みとも言える特徴は今後も継承していくが、海水浴場としての認知度は「まだまだ低いと思います」との実感だ。昨年のサマーシーズンは、約3万人の海水浴客が訪れたビーチパーク。2002年から遊泳可能となった歴史的背景もあるだろう。規模の大きさも歴史も違うために単純比較はできないが、ひと夏で100万人を超える海水浴客が集まる海水浴場も同じ湘南にはあるだけに、まずは海水浴場としての認知度を上げていきたいところ。もちろん、現状の良さもある。今はそこを逆手にとって、一般的には“混んでいる”イメージがつきまとう湘南の海でありながら、ゆっくりと海水浴を楽しむことのできる穴場だ。

ビーチパークは海水浴場なんだ!

「大きい海水浴場ではありませんし、駐車場にも限りはありますから、市外の方々に来ていただくにも限界はあります。それだけに、まずは平塚の人たちに知ってもらうことからはじめたいと考えています。“ビーチパークは海水浴場なんだ!”とSNSや媒体での告知活動など、自分たちでできる限りの発信をしていければ。同時にビーチパーク主催のイベントや教室の開催も、少しずつ充実させていきたいです」

海水浴場の規模を考え、ひとまずの目標を「年間10万人の利用者」に据えるという。もちろん、数値以上に重視していることもある。それこそが人を集めるためのコンセプト、“開かれたビーチ”だ。

  • 海水浴場開設期間中は、臨時の更衣室も設置

新たなマリンスポーツも積極的に応援していきたい

「多種多様なマリンスポーツがありますし、砂浜を使った新しいスポーツも生まれています。団体・個人問わず、新しいスポーツに取り組んで、やる場所を探していらっしゃる方もいると思います。だから遠慮なく声をかけてほしいですね。話をするくらいの感覚で、気軽に遊びに来てもらえたら」

ビーチパークとしても、新たなスポーツの環境作りを支援している。そのひとつが五輪種目でもあるオーシャンスイム(オープンウォータースイミング)。長い距離になると10キロ泳ぐ、海の遠泳競技である。

「トライアスロンの選手も含めれば何十万人もいる競技人口なんです。それでも練習できる場所は本当に少ないので、練習環境を整えていけたら。ビーチパークはライフセーバーが常にいて、シャワーに更衣室もあって、ご飯も食べられる素晴らしい環境。スポーツをする上で全てが揃っている施設なので、門戸はいつも開いていたいと思っています」

平塚海岸はかつて砂浜の浸食により、長い間遊泳禁止の海だった。そのため、市民には海水浴と平塚の海が結びつかない世代も多い。しかし、沖合への消波ブロックの建設で砂の流出を防ぐことに成功し、再び「泳げる海」として復活。その歴史は近隣の海水浴場と比べるとまだ浅いが、平塚の海に海水浴場がオープンした2002年に生まれた子どもたちも、今年で16歳を迎える。陸で遊ぶのが当たり前だった世代と、海で遊ぶのが当たり前となった世代との共存は、これから本格的にはじまる。平塚はプロサッカーチームが生まれた湘南唯一の街だ。スポーツと共に発展してきたこの街の未来は、陸と海の両方を楽しむ人がスタンダードであってほしい。

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