湘南といえば「江ノ電」。それをモチーフにした「江ノ電もなか」は、扇屋さんでしか買えない貴重品!

江ノ電の江ノ島駅から腰越駅方面へ徒歩で3分ほど。突如として江ノ電のフロント部分がお店と並ぶように現れます。その様子はまるで江ノ電の車庫?

しかし、それは老舗和菓子店「扇屋」さんが、江ノ島電鉄から1990(平成2)年ごろ、実際に使用されていた車両(600系)を譲り受けたもの。いまでは、お店の看板どころか、まちの名所として鎮座しています。

ではなぜ、江ノ電の廃車両がここにあるのか。それは「扇屋」さんが、江ノ電をモチーフにした「江ノ電もなか」を1985(昭和60)年4月から販売を開始して以来、地元の名物として人気を博しているから。しかも、この店舗でしか買えないという貴重な逸品でもあります。また、神奈川県の指定銘菓にも登録されています。

一口サイズに、レトロなパッケージ。甘さ控えめなのも人気の理由。

そのもなかは長さ10センチほどの手のひらサイズ。包装紙をはがすと、鎌倉の名所を表した箱が登場。しかも箱には小窓が空けられていて、これは車庫をイメージしたものだそうです。どこかレトロな雰囲気が漂ってきます。

ごまの風味が香ばしい「青電」、梅肉の入った「赤電」、ゆずの香漂う「新車」、こしあんの「チョコ電」、そして粒あんの「江ノ電」の5種類。それぞれ単品でも購入できますが、お薦めは各2本がセットになった10個入り。

  • ▲ ごまの風味が香ばしい「青電」

  • ▲ 梅肉の入った「赤電」

お味はいずれも甘さ控えめ。飽きることのないこの味が、お子さまからお年寄りまで、世代を超えて多く人を虜にしている秘密なのでしょう。

  • ▲ ゆずの香漂う「新車」

  • ▲ こしあんの「チョコ電」

  • ▲ 粒あんの「江ノ電」

実は200年以上の歴史を持つ超老舗でした!

ちなみに、譲り受けた車両ですが、いくらコンパクトな江ノ電とはいえ、全てをお店に設置することはもちろん不可能でした。そのため運転ハンドル、駅の行き先看板、車内の時刻表など、当時の雰囲気が味わえる最小限のパーツを店内にディスプレイしています。

そしてこの扇屋さん、実は超がつくほどの老舗和菓子店。創業はお店の方でも定かでないほどで、200年以上も前のことだとか。当時は向かいにある龍口寺敷地内の脇にお店を構えていたそうで、大正時代の中頃に今の場所に移転。店内にはそんな時代の貴重な写真も掲げられています。

  • ▲ 龍口寺敷地内の脇にあったお店

  • ▲ 大正時代のお店

もちろん、季節の和菓子もここで製造・販売されています。取材時は「さくら餅」「くさ餅」がショーケースの中で美味しそうに並んでいました。

湘南らしいお土産はたくさんあります。でも、ここでしか買えない「江ノ電もなか」は、わざわざ足を運んでみる価値大いにあり。もらった人もきっと笑顔が溢れるはずです。

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